院長室

« 7月 2024 4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

「スリー・ビルボード」/「ダーク・タワー」

映画の宣伝だからって俳優さんがバラエティー番組に出まくる

最近の風潮ってどうかと思うんだ。どのチャンネルも同じ話

やん。…なんてことは全く前フリではない今回の映画レビュー

です。(^ ^)

 

まずは「スリー・ビルボード」。娘がレイプされ焼死体で

発見された母親の、捜査が進まない警察に対する不満を発端

とするクライムサスペンス、と紹介されていますが、なんの

なんの、これは極上のヒューマンドラマです。全く謎解き系

の映画ではないですが、極力前情報なしで鑑賞することを

お勧めします。

 

脚本も演出もカメラワークも素晴らしいですが、やはり

俳優陣の上手さが目を引きます。主演ではないですが、

重要なキャラクターであるサム・ロックウェルさんは特に

良い。「月に囚われた男」に匹敵する名演ではないで

しょうか。強力オススメです。

 

そしてクールなアクション映画かと思わせてかなりおバカ

作品だった「ダーク・タワー」。予告編のカッコ良さと

ガンスリンガーという単語のみに惹かれて観ましたが、

B級中二要素満載でした。いや、それも好物なんだけど。(笑)

 

敵役の名優マシュー・マコノヒーさんに「聖剣エクスカリバー

から作った銃」なんて言わせちゃうんだもの、ある意味凄い。

並行世界にあるタワーを壊すと外宇宙から怪物が侵略して

きて世界が滅ぶ、という既に意味不明な設定なんですが映像的

には割と良い。

 

いかんせん敵ボスの能力が無敵すぎるのと「心で銃を撃つ」

はずの主人公のラストショットが単なるトリックショット

だったりと、まあ全編ツッコミ所満載です。同系統のアクション

映画ではやはり「リベリオン」の右に出る者はいないですな。

あ、でも意外と好物です。(笑)

 

なんかもうテレビがつまんないから、どんどん映画一辺倒

になってしまいますわ。吉本新喜劇も劇場で観る方が面白い

しねぇ。

 

2018年2月8日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

「キングスマン2」/「嘘八百」

新年1発目の映画レビュー。映画ライフもなかなか幸先の

良いスタートが切れました。(^ ^)

 

まずは公開を待ち望んでいた「キングスマン ゴールデン・

サークル」から。マシュー・ヴォーン監督の傑作アクション

「キングスマン」の続編です。この監督は「キック・アス」

というこれまた傑作があるのですが、こちらの続編で製作に

まわってコケたのを反省してか今回は再び監督脚本を

務めます。

 

これが功を奏してか、アクションは期待以上。年齢制限が

緩和された割にはエグイ場面も結構あり、とにかく長尺が

全く気にならないくらいアガります。ハリー復活劇には

涙したよー。が!看過できないツッコミ所も前作以上で

脚本には難アリです。超兵器の数々もちょっとやりすぎ。

まあそんなん言うのは野暮な作品なんですけどね。(^ ^;)

でもできればハリー復帰はダマにしておいて欲しかった。

既に3作目やスピンオフ企画も進行しているらしいので、

また観ちゃうんだろな。

 

それとは逆に堅実な作りの邦画「嘘八百」。日本の骨董品

に絡めた詐欺師たちのドタバタコメディですが、こちらも

期待以上。とにかく主演の中井貴一と佐々木蔵之介が抜群に

イイ。最近の中井さんの安定感ったらないですわ。

 

監督は武正晴氏。実力派監督作品の助監督を長年勤めたこと

も助けてか、非常に堅実かつ見せ所を分かってらっしゃる。

小技も効いていて尺もちょうどと、とてもバランスの良い

作品です。ただもう少し「イン・ザ・ヒーロー」の時みたい

なウンチクをちりばめるとさらに良かったかも知れません。

 

「キングスマン」は前作鑑賞前提だし、ヤバイ表現も含む

ので万人向けとは言えませんが「嘘八百」は意外と若者も

楽しめる全方位型娯楽作です。あまり宣伝もしてないので

掘り出し物感もあるしね。骨董品を扱う作品だけに。うまい。

2018年1月18日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

「探偵はBARにいる3」/「オリエント急行殺人事件」

新旧、そして和洋の探偵対決。軍配はいかに。

 

まずは和。我らが大泉洋ちゃん主演の人気シリーズ第3弾。

第2弾がちょっとアレだったので、洋ちゃんファン以外は

スルーしちゃうデキかなーと思って観たけど、意外とオモロ

かった。

 

探偵モノ、と言うよりはバディアクション映画なので純粋な

ミステリーを期待してはいけません。あ、あと北海道観光

映画ね。(笑)それでも面白いのは洋ちゃんのキャラメイク

と細かな演技の賜物でしょう。俳優・大泉洋は普段から

キャラが立ちすぎていて、どれを観ても同じに感じる、と

おっしゃられる方もいますが、ま、そうかもね。(^ ^;)

 

それでも大いに魅力的な人であるのは間違いないので、

シリーズものですが今作から大泉洋デビューをして頂いて

も一向に大丈夫です。僕はなまじっか北海道生活が長かった

ので余計に刺さるのよねー。あ、エンドロール後に物語の

根幹に関わる重要なシーンがあるのでお見逃しなく。

 

そして洋は(ややこしいな ^ ^;)はミステリーの古典、

アガサ・クリスティー原作の「オリエント急行殺人事件」です。

原作はもう80年以上前に発表されているので、現代風に

アレンジと言っても無理があるし、一度映画化もされている

ので、未見の人以外は鑑賞価値があるのか?と思いますが

これまた意外とヨカッタ。

 

実は僕は未見さんなので新鮮に楽しめたし、何より俳優陣

が上手でした。こちらは言わずと知れた名探偵エルキュール・ポアロ

さんなのですが、ちょっと強引な推理だったり女々しく

悩んだりと冷める部分もあります。ただ監督兼主演の

ケネス・ブラナーさんがハマっていて素晴らしい。他にも

ペネロペ・クルス、ミッシェル・ファイファー、

ジョニー・デップ、ウィレム・デフォーと言った曲者揃いの

布陣なので否が応にも盛り上がります。

 

当時の風景や自然の景色にも力を入れていて、カメラワーク

も工夫がいっぱいです。これは楽しい。続編があるっぽい

ので本作レベルのキャスティングで維持できるとさらに

面白いですね。

 

そんなワケで、軍配は和の洋ちゃんです!(だからややこしい)

 

2017年12月14日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

「ブレードランナー2049」/「ローガン・ラッキー」

今年はもうそんなに期待作がねーなー、と思っていた矢先、

良い意味で裏切られた2作品です。

 

まず「ブレードランナー2049」。80年代のSF映画の

金字塔(と言われている)の正統続編。35年後の世界を

描いています。正直僕は、タイムリーで観ていない上に主人公

が大して格好良くないし世界観も好きではなかったので、

今や売れっ子のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がよくこんな

ハードルの高い続編作品を引き受けたな、で、どう仕上げた?

的へそ曲がりな興味で鑑賞しました。(^ ^;)

 

…いや、すげー。そして、すげー。なぜ2回言うか、まずは

この続編の方が面白いという点、そしてしっかりこの監督の

作風になってしまっている点。脱帽です。リドリー・スコット

も腰抜かしたんじゃないかしら。オープニングの構図から

前作を踏襲していて、アジアンチックな雰囲気も引き継ぎ

ながら物語の核である人間とレプリカントの関係をしっかり

描きかつ自分の色で演出し切るという超偉業を成し遂げました。

恐るべし。主演のライアン・ゴズリングさんも見事に期待に

応えています。前作鑑賞が必須なのが難点ですが、今からでも

観て今作を鑑賞する価値は十二分にあります。さらに2回目

も観たくなるでしょう。

 

そして「ローガン・ラッキー」。2013年に引退宣言したのに

もう撤回しちゃったスティーブン・ソダーバーグ監督の作品です。

 

でもやはりこの監督は面白い。今作は不運な人生を打破すべく

現金強奪を目論む兄弟たちのお話。これだけ聞くとむしろ

反感を買いそうな設定ですが(^ ^;)、これがまた不自然に

感じることなく引き込まれます。これは出演陣の上手さに

依るところが大きいかな。いきなり子役が上手いもの。

 

主演のチャニング・テイタムさんとアダム・ドライバーさんに

加え、ダニエル・クレイグ、ライリー・キーオ、トドメの

ヒラリー・スワンク、と技巧派目白押し。犯罪ものですが

脚本がテクニカルでサスペンスとしてもなかなかのものです。

さらにコミカルな演出もあって意外と全方向性に楽しめる

作品に仕上がっています。ちょっと終盤展開について行け

なくなる感はありますが、こちらもとても楽しい作品でした。

 

いやー、拾いモノどころかどちらも必見の作品でした。

あぶないあぶない。でもジャスティス・リーグは観ない

かな。(笑)

 

2017年11月30日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

「バリー・シール」/「アトミック・ブロンド」

「キングスマン2」くらいしか期待作がない中、つなぎに

アニメ版ゴジラとかブレードランナーとか観るかなー、と

思っている中、さらにそのつなぎに観た2作の紹介です。(笑)

 

まず負傷によりMIの続編公開が延期されるかも知れない

トム様主演の実話ベースの作品。優秀なパイロットであり

ながらその腕を見込まれて、ヤバイ品の密輸に手を染めた男

の半生を描きます。ちなみに副題が「アメリカをはめた男」と

なっていますが、これは壮大な誤りで実際にはアメリカに

はめられた男の話です。(^ ^;)

 

で、そのお話は否応なく悪事に手を染め→調子に乗って

荒稼ぎ→バレて追われる→悪事に…→のループでそれほど

共感もできないのですが、飛行機を操縦するシーンはかなり

リアルで面白いです。もうトム様はタフなヒーローだけ

やってればいいのにさ、と思わせる作品です。(笑)

 

そして女性版「ジョン・ウィック」とも言うべきスパイ

アクション作品「アトミック・ブロンド」です。ベルリン

の壁崩壊時期の、各国が緊張度の高い情報戦を繰り広げて

いた頃のお話。はっきり言ってストーリーはさっぱり

分かりません。(^ ^;)そもそもスパイ映画は二重スパイ

だの裏切りだのが多くて分かりにくいものが多いんだけど、

今作は技巧を凝らして失敗している感じ。

 

主演は「マッド・マックス」で主演を喰っちゃってた

シャーリーズ・セロンさん。「イーオン・フラックス」など

確かにアクションのキャリアはあるのですが、演技派な

彼女なのでやや不安でしたが、これは見事に裏切られました。

スパイ映画なだけに?!

 

これだけアクションの完成度が高いのなら、ここまで脚本を

分かりにくくすることなかったのに、と本当に悔やまれます。

荒唐無稽さの中にも説得力のある動作が多いし、長回しの

ワンカットシーンなんて、トニー・ジャーも真っ青です。

もしかして続編あるかも?!キアヌと共演しちゃったり?!

なんて期待も高まる。(^ ^)無駄なサービスシーンが多い

のは難点ですが。

 

どちらもオススメしづらい作品ですが、とにかくトム様が

観たい方、イカすアクションを堪能したい方はよいかも。

そういう意味では僕には合ってました。(^皿^)

2017年11月2日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ