院長室

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「メッセージ」

突如出現した謎の巨大物質、その中にいる異星人?との交流を

描くSF映画です。何か公開前は結構押してたのに、現在あまり

宣伝されていませんね。観ないともったいない名作です。

 

異星人との交流と言っても「E.T.」のようなハートウォーミングな

お話ではないし、「インディペンデンス・デイ」のような騒がしい

ヒロイック映画でもありません。“ 異物 ”に対し我々はどう接する

べきか、というむしろ社会的映画に属すると言えるでしょう。

 

しかしながら堅い雰囲気でもなく、異星人と接し言語を解読しよう

とするシークエンスはミステリィのようで高揚します。物語の佳境

で主人公が発するある一言に鳥肌が立つことでしょう。あまり詳細

は言えませんが、オトナのSF映画として名作だと思います。この

あたりは監督のドゥニ・ヴィルヌーヴさんの手腕のなせる業で

しょうな。

 

ところで、今作は原作小説のタイトルが「Story of Your Life」、

映画版洋題は「Arrival」、そして邦題が「メッセージ」です。

毎回邦題に関して苦言を呈することの多い、エセ評論家然とした

鬱陶しいワタクシですが、今回の邦題は作品内容にマッチして

いて、洋題を使用するよりは良かったかな、と思います。ただ、

「Arrival」には「出生、新生児」という意味もあること、そして

原題の「Your」が誰を指すのか、を考えてみると途端に深く

なります。皆さんも観終わった後に考えてみてね。おすぎでした。

2017年5月29日 月曜日

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「スプリット」

「シックス・センス」のM.ナイトシャマラン監督の最新作です。この監督

さんを紹介する時に「シックス・センスの」という冠がつくのが現在の

彼を表していて、つまり「シックス・センス」を超える代表作がないのですよ。

それだけ衝撃のある名作だったからでもあるのですが、それが足かせに

なるというのも可哀想なのよね。

 

彼の作品はB級テイストでありつつ、観客を裏切る演出が見物でシャマラン

作品好きを“シャマラー”なんて言うそうですが、僕もそこそこのシャマラー

で、実は一番好きな作品は「シックス・センス」ではなく「アンブレイカブル」

です。その他、「サイン」「ヴィレッジ」も意外と好き。さりげなく作中に

監督自身が出演したり、資金豊かな大作にあてつけるような演出をしたり、

とシリアスなスリラーが得意なんだけどお茶目な側面もあるので何か

駄作でも憎めないのですよ。(笑)

 

本作も、突如誘拐された3人の女子高生と彼女たちを幽閉する23人の

人格を持つサイコパスとの対決?を描くスリラーですが、所々にシャマラン

節が出ていて、ファンは余計に楽しめるでしょう。犯人役のジェームズ・

マカヴォイさんの快演(怪演?)も見所です。前作「ヴィジット」から

徐々にシャマラン監督の原点回帰というか、らしさ復活が伺えて嬉しい

限り。うん、やはり僕もシャマラーやね。

 

「シックス・センス」がそうであったように、彼の作品は脚本と演出が命

なので極力前情報を入れずに観に行った方がいいです。さらに今回に限れば、

DVD化を待つのではなく、劇場に行った方が絶対にいいです。なおかつ

エンドロール後まで席を立ってはイケマセン。シャマラーは泣くね。

 

シャマラーなので作品内容はこれ以上語りません。(ええっ?)劇場に

足を運び、彼の復活を喜びましょうぞ。ニヤニヤが止まんねぇー。

 

2017年5月18日 木曜日

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「パッセンジャー」/「ハードコア」

映画選びの基準は映像美?ストーリー?俳優?監督?…皆それぞれ

あるかと思いますが、「映像体験」なんて基準もこれからはアリ

かも知れん…と思わせる2作品です。

 

まず「パッセンジャー」。近未来、他の惑星を目指す宇宙船の中で

120年の予定が30年で冷凍睡眠から目覚めてしまった男の孤独の

物語。到着まで残り90年、つまり宇宙船の中で独りで死ぬことが

確定しているわけですね。もうこの時点でめっちゃ面白そうです。

CMなんかでもSF超大作的な紹介をされていて、もちろんそれは

それは凄い映像で、“ありそうな”未来感があって純粋に楽しいです。

 

ただ、この作品の核は孤独に陥った人間の行動と選択という極めて

人間性の濃いものです。カッコよい映像に装飾されていますが、かなり

哲学的かも。ある意味映像はミスリードですね。ヒロインのお色気

シーンがやたらと多いのもまたミスリード?(笑)個人的にはこの

装飾をもっと抑えて、人間性のテーマを掘り下げた方が良かった

と思います。間口を広げるために欲張りすぎたかも知れません。

なんせ制作費1億ドル以上ですからね。失敗できんわな。ストーリー

だけを追うと御都合主義的だし、SF的リアリティに欠ける部分も

あるけど、映像はすんごい楽しいです。

 

そして問題は「ハードコア」。アホです。バカです。大好きです。(笑)

「パッセンジャー」の30分の1以下の安い制作費で怖いものナシなのか

やりたい放題。FPS映像と言って、完全に1人称の視点だけで展開される

作りで、結構ホラー映画なんかではよく用いられるのですが、本作は虐殺

しまくりのアクション。目が覚めると失った手足に機械のパーツを装着され、

言葉をインプットされる前に狂気の超能力者に襲撃され、大脱出を

試みる所から始まります。ね?バカでしょ?(喜)

 

もうこのテンションが下がることなく上がり続け、破壊と虐殺が続くと

いう極めて悪趣味な映画。…なんですが、とてつもなくセンスフルで、

タランティーノ映画を観ているよう。映像には主人公の手しか写らないし、

言葉をインプットされる前という設定のせいで、言葉も発しません。これが

奏功してあたかも自分が主人公のような錯覚を覚えます。これはなかなか

得られない体験ですよ。

 

しかしながら、相当グロい表現があることと、FPS特有の映像の揺れ

から、二重の意味で気持ち悪くなるかも(^ ^;)相当面白いですが、

相当人を選びますね。今回ばかりは予告編を見てから判断した方が

いいでしょう。予告編でも使われている Queen の楽曲のチョイスがまた

センスフル!そもそもこの監督が関わったロシアのロックバンドの

PVから発展した企画だそうで、そのPV映像も凄いです。これ見たら

確かに映画にしたくなる。是非劇場で。

2017年4月13日 木曜日

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「キングコング 髑髏島の巨神」

観る前から傑作の予感しかなかった本作、もうアドレナリンが

出っぱなし!期待通りのデキでした。

 

キングコングは通算8作目だそうで、初出は1933年というから

ゴジラと双璧を成す「レジェンド怪獣」なのです。この映画の制作

はギャレス・エドワーズ版ゴジラと同じレジェンダリー・ピクチャーズ

で、ゴジラと世界観を共有するらしいです。ギャレスゴジラには賛否

あったものの、怪獣映画としての完成度は素晴らしく僕は大好きです。

当然同じ系譜の本作も怪獣映画としては満点、しかも秘境探索+戦争

モノの要素も盛りだくさんで満腹っす。僕は未見ですが有名な戦争

映画「地獄の黙示録」へのオマージュシーンもたくさんあるそうです。

 

メインストーリーは髑髏島に潜入調査した人間とコング、そして島に

生息するもう一つの怪物との戦いです。それだけです。(笑)まったく

もったいぶることなく怪獣のオンパレードで、もうしょっぱなから

ガッツ石…じゃなくてコング大暴れ!反面、ドラマパートはやや適当で

中途半端感は否めません。まあ怪獣メインだからな!でもコングは

ちょっと男前すぎかも。アクションフィギュアが発売されたらノータイム

でポチるレベルなんだけど、もうちょっとケモノっぽい方が説得力が

あったような。むしろガッツ石松より人間っぽいからね。言っちゃったよ。

ただもうギャレスゴジラが好きな方は必見!特に長〜いエンドロール後

のワンシーンで熱くなることでしょう。やってくれるぜ!

 

話かわって明日に迫ったプロ野球開幕戦のオーダー。そう、今回は豪華

2本立てですよ?誰にとって豪華なのかは不明な模様。どうもジャイアンツ

はマイコラスが先発らしいので、1軍メンバーから察するに、

 

1(中)大島

2(二)荒木

3(三)ゲレーロ

4(一)ビシエド

5(右)平田

6(左)遠藤

7(遊)京田

8(捕)杉山

9(投)大野

 

になりそうな感じ。守備力を考えれば(遊)堂上なんだけど、右打者

だらけになるし、若手育成枠は必要でしょう。京田と堂上併用だと

遠藤が外れて(左)ゲレーロになり、これはこれで守備が若干不安だし。

このままのメンバーで7と8を入れ替えるのも面白いかも。ここに

周平、福田、井領あたりが食い込めば、野手はなかなかの層ですな。

 

問題はやはり投手。柳と小笠原は故障なので若手で有望なのは鈴木

翔太のみ。打たれたけど。若松も小熊もイマイチだし、新外国人は2軍

だし。完投能力があるのは大野くらいなので、開幕から中継ぎはフル

回転が予想されるけど、又吉、浅尾、岩瀬、岡田、祖父江、でどこまで

行けるか。連投に耐えられるのは又吉くらいだよね。そして抑えは田島ジン。

魔神たりえるか。ここは経験がものを言うポジションでもあるから、

しばらくは固定さね。

 

今年は首脳陣がしっかりしてそうなので、去年よりは良さそう。週間

ベースボールの評価がひどいことになってるそうだけど、まあ気にスンナ!

何より今年のユニフォームが気に入った。(笑)燃えよ!ドラゴンズ!

2017年3月30日 木曜日

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「クリミナル」/「トリプルX」

どうにも「ラ・ラ・ランド」を観る気にならないので、今回はオス

スメB級映画を。僕が勧めるB級、と言うことはもちろん取り扱い

注意なブツであるわけですが。

 

まずは久々ケヴィン・コスナーさん主演の「クリミナル」。重要

な証人を匿ったまま殉職したCIAエージェントの記憶だけを囚人

に移植して情報を聞きだすために三つ巴の戦いが繰り広げられる、

という既に書いててワケが分からんSFサスペンス。ケヴィンさん

主演のご都合映画なので、えっ?ここは80年代?!的なタイム

スリップ感も味わえるという優れた作品。

 

何故か無駄に出演陣が豪華で、ゲイリー・オールドマン、トミー・

リー・ジョーンズ、ライアン・レイノルズ、ガル・ガドット、と

もう別の映画作っちゃえよ、とアドバイスしたくなるほど素晴らしい。

なんかディスってるようですが、やはりケヴィンさんはカッコいい。

感情が欠落した男が他人の記憶を植え付けられてマトモな人間に

なっていく過程を上手く表現しているし、それを受け容れる妻の

演技も良かった。すっげー暇なら観るといいよ!ディスってるやん。

 

そしてそれ以上にやばい「トリプルX 再起動」。実はシリーズ3作目

らしいのですが、ドニー・イェンとトニー・ジャーというアジアが

誇る超人が出演している、と言うだけでマストな作品です。え?

誰それ?という人はスルーでお願いします。

 

と言うのも、人工衛星を自在に操作できる装置を奪われちゃったので

何故かエックス・スポーツの達人を筆頭に荒くれ者集団で取り返すぜ、

ってもうワクワクが止まんねーだろ!ドヤ顔。的中二病な脚本だから

です。もちろん僕はワクワクが止まらないカテゴリーの人なので、

主人公がスキー板をはめて電波塔から飛び降りつつ山を滑走したり、

高速道路で車に轢かれても平然と走ったり、美女がガン・カタ風に

銃をぶっ放してみたり(もちろん無キズ)、挙げ句、人工衛星と

輸送機を衝突させて自分はパラシュート無しで落下してみたり、

ってどう?バカでしょ?(笑)ディスっ(略)まあでも確信犯的

演出も多く、サミュエル・L・ジャクソンさんなんて嬉々として演じて

るので、まあやはりコアなファン向けの映画なんでしょうね。

 

実は今回一番オススメなのが映画ではなく「宇宙の仕事」というドラマ。

我らが福田雄一監督のもちろんコメディ。Amazonプライム限定配信

だったのであまり知名度は高くないのですが、この度めでたく

DVD化されました。TV向けでない分、制約が少ないのか福田さんが

やりたい放題です。爆笑です。ヨシヒコ第3弾がダルかったので、

余計に気持ちがよい。メイキングの内容を想像するだけでワクワクが

止まんねーです。(^ ^)

2017年3月16日 木曜日

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