院長室

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感染防御

前回、キャンペーンと絡めてビタミンCの免疫関与を紹介しました

が、それは異物が体内に入った時の対処、という意味合いです。

そもそもウィルスや細菌が侵入しないようにするにはどうしたら

よいのでしょうか。

 

人体と外界の境界でバリアになっているのは皮膚ですが、その

延長にあるのが粘膜です。口の中や鼻の中は皮膚と地続きですが

その表面は粘膜と言います。

 

この粘膜が粘液を分泌することで、異物を洗い流したり捕まえ

たりすることができるのですね。他にも、気道粘膜、腸粘膜、

膣粘膜など体内に異物を侵入させないために頑張ってくれて

います。となると、粘膜の質が感染防御に深く関与することが

うかがえます。

 

さて、その粘膜にはIgAという抗体があって直接的に異物を認識

しています。敵が入ってくるかどうかの監視役、と言うと分かり

易いかも知れません。このIgAが十分合成できるかどうかという

のがその人の防御力、と言っても過言ではありません。

 

で、IgA合成に必要な栄養素は何かというと、ビタミンA(VA)と

亜鉛です。腸粘膜の防御にはさらにビタミンD(VD)も必要です。

VAは鶏や豚のレバーに、亜鉛は牡蛎、VDはキノコ類に多く含まれ

ますが、既にONシーズンであること、これらのサプリメントは

比較的安いことを考えると、さっさとサプリを飲んだ方がいいかも

知れません。

 

いずれにしろ、感染症への防御能は薬ではなく栄養素が関与して

いることを知ってもらいたいですね。

2018年11月5日 月曜日

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11月のキャンペーン

既に風邪は流行っており、今年はインフルエンザも前倒しで流行

しそうな気配です。ではワクチン接種をした方がよいのか?と

なりますが、ワクチンの効果発現メカニズムには疑問がありますし、

そもそも毎年のように極めて多数の感染者が出る時点で効いて

いないと思うので、素直に他の手段を講じる方が賢いと思います。

 

そこで提案するのがビタミンC(VC)です。VCは抗酸化栄養素

の代表格ですが、実は免疫にも大きく関与しています。細菌や

ウィルスを排除する実行部隊は白血球です。この白血球が動く

のにも殺菌するのにもVCが必要なんです。なのでしっかりVCを

補給することは予防にも治療にもなります。

 

ではどのくらいのVC量が必要かというと、様々な意見があり

ますが1日で1000〜2000mgは必要でしょう。特に

ストレスでもVCは消費されるので、ストレスフルな生活を送って

いる方はそれ以上の量が必要です。さらに1度に吸収できる

VC量は400〜600mgが最大なので、こまめに摂取する

のが重要です。

 

市販のサプリなどでもVCはメジャーですが、VCの最大の弱点は

VC自身が酸化されやすいことです。これを防ぐために大抵の

市販品には大量の防腐剤が使用されます。これでは良かれと思って

摂るVC剤で不調を招きかねません。なので医療用サプリをお勧め

するわけで、今月はVCの各種ラインナップをキャンペーン対象

とします。やっと本題や。(^ ^;)対象は以下の3種で期間中

何度でも10%OFFで提供致します。

 

・チュアブルVC:2160円→1944円

ラムネ菓子みたいに水なしで食べられます。1錠200mgですが、

とにかく便利です。お子さんにもいいですね。

 

・ヘルシーパス社VCサプリメント:3020円→2718円

1カプセルで400mg摂れます。一番標準的に使用して頂いている

商品です。

 

・高濃度VC点滴(25g):6600円→5940円

点滴なので1時間ほどかかりますが、用量のケタが違います。

25000mgですから。既に感染してしんどい時はこちらが

良いでしょう。

 

この機会にVCの効果を実感してみてください!

 

2018年11月1日 木曜日

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口を閉じるのだ

堀田先生の書籍の影響か、慢性上咽頭炎の認知とそれに対する

Bスポット療法(今はEATと言いますが)の拡がりを感じます。

ウチもこれまで細々とやっていましたが、受診される方も増え

てきた印象です。

 

Bスポット療法の詳細は書籍やホームページで確認してもらいたい

ですが、鼻の奥や喉の奥に綿棒を入れるので結構苦しいし、

炎症がひどい場合ほど痛いです。今後、苦痛の少ない方法が考案

されるといいですが、現状は代替法はないんです。ごめんなさい。

痛めつけたくてやってるわけじゃないからね。(^ ^;)

 

さて、Bスポット療法が奏功して後鼻漏や頭痛が改善すれば大変

喜ばしいのですが、治療を減らしたり中断すると症状が戻って

しまう場合もあります。こういう時、Bスポット療法は対症療法

にしかなっていないわけで、根治に繋がるようなアプローチが

必要になります。

 

その対策の一つが口呼吸の治療です。口呼吸の習慣がある方は

口腔内が常に乾燥しているので炎症が起きやすく治りにくいです。

そもそも鼻づまりが続いている人はそれだけで口呼吸になります。

なるべく話さない…わけにもいかないので、まず注意すべきが

睡眠中の状態です。朝起きた時に喉が痛かったり、貼り付いた

ような感じがする場合は恐らく睡眠中口呼吸になっているでしょう。

 

これを確認する方法が「口テープ」です。睡眠前に口を閉じる

ように縦にテープを貼るだけです。もしこれが起床時に外れて

いたら口呼吸の証拠になります。テープは何でもいいです。

そして外れていてもテープを毎日すると外れなくなります。診断

にも治療にもなってかつ安価!こいつはやらない手はない

ですぜ、ダンナ。

 

あと、口周囲や舌の筋力低下は低位舌を招き、これが口呼吸の

原因になったりもしますので、筋トレ=あいうべ体操も効果的

です。このサイトが詳しいです。これも簡単かつ安価なので、

やらない手は(略)

 

これから乾燥して冷えてきますので、感染症対策のためにも

是非習慣的にやって頂きたいです。

2018年10月29日 月曜日

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「教誨師」/「若おかみは小学生!」

今回はややマニアックな2作品。ただマニアックと侮るなかれ、

今年の邦画を代表する映画になるかも知れませぬ。

 

まずは「教誨師」。「きょうかいし」と読みます。今年2月に急逝

した大杉漣さん主演の映画です。奇しくも遺作となりました。教誨

とは受刑者に罪と向き合うために教え諭すことで、それを行う人の

ことを教誨師と言うのだそうです。何らかの宗教者であることが多く、

今作ではキリスト教の教誨師を大杉さんが演じています。

 

大杉さんの遺作とは言っても偶然そうなっただけで、製作サイドと

しても参加していたご本人は3部作で作製するつもりもあったよう

です。そして、それくらい、濃い、です。遺作補正がかかって鑑賞

する人も多いかも知れませんが、そうでなくても傑作だと思います。

罪に対する罰、死刑制度、生へ執着、宗教の意義、など実に多くの

問題提起をしているにも関わらず、煩くない。殺風景な舞台なので

却って演技が濃密に感じられ主演の大杉さんだけでなく皆さんが

素晴らしい。この際、遺作補正であってもいいから口コミで広がって

多くの方に観て欲しい作品です。

 

そして「カメラを止めるな!」第2弾の呼び声高い、口コミで評価

が拡散しているアニメ映画「若おかみは小学生!」です。もう既に

上映館が減っていますが、実は一旦上演頻度が減って人気と共に復活

した希有な例でもあります。

 

不慮の事故で両親を亡くした主人公の少女が実家の温泉旅館の女将と

なる成長物語ですが、絵柄がかわいすぎるしタイトルが口に出しづらい

くらい軽いし(笑)、挙げ句幽霊が出てくるし(しかも極めて重要)で

まあ確かにあまり観ようとは思いませんわ。いやしかし。これまた

様々な問題を内包しており、かつ完成度がびっくりするほど高い。

幽霊の役目や、登場人物の必然性、そして小道具の正確さなど脚本

演出のウデに唸りました。

 

元は令状ヒロ子さん原作の児童書なので、まあ絵柄は仕方ないですよ。

それを脚本・吉田玲子さん、監督・高坂希太郎が見事に昇華させました。

最近歳のせいで涙腺がゆるいのか、涙なしでは観られませんでした。(泣)

あまりに邪気がなさ過ぎるのも難点と言えば難点ですが、真正面から

「死」を扱った誠実な作品だと思います。

 

今回は実写とアニメ、静と動、老と若、など偶然にも対比的な2作品

ですが、偶然にもテーマは「死」です。大杉さんが死して「死」の傑作

を遺したのは奇跡と言えるかも知れないですね。色んな意味で感動です。

2018年10月25日 木曜日

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高タンパク食の是非

糖質制限食と同時に勧められるのが高タンパク食です。栄養療法

では糖質制限を指導する場合が多いので併せて高タンパクの指導

も行うことになります。

 

高タンパクということは、肉・魚・卵・大豆を多めに食べようぜ、

ってことですが、糖質制限同様、これにも様々な意見があります。

高タンパクでは体内が酸性に傾くとか、日本人の腸は高タンパクに

向いていないとか、単一タンパク摂取はアレルギーの原因になる

とか、4本足の動物は食べてはいけない(?)とか…。

 

これらをして栄養療法を否定する向きもあるのですが、我々が

行っている栄養療法はあくまで「過不足を分析して新陳代謝を

意図的に左右する」治療方法です。糖質制限を勧めるのは糖質過剰

という分析結果が出るからですし、高タンパクを勧めるのも

低タンパクという分析結果が出るからです。決して糖が嫌いで

タンパクが好きだから、ではありません。(^ ^;)

 

こう書くと当たり前のように聞こえるかも知れませんが、意外と

「分析」は度外視されているのが現状です。テレビで○○が健康

に良いと言われれば早速買いに行ったりしませんか?それは

本当に自分に足りていないのか?という分析をしないで実行

しちゃってるってことですよね。

 

食事には地域性や民族性、習慣や嗜好など数多くのファクターが

関与します。正直何が正解かは分かりません。けれども、体を形成

するのは食事だけですから病態の治癒に大きく関与するのも事実

です。であれば、なるべく客観的な情報を集めて確からしいものを

採用する、という方法論が一番安全だと思うのです。その結果が

糖質制限であったり高タンパクであったりすれば、あまり議論の

余地はないと思うんですけどね。

 

こういう根拠が薄いまま行われる食事指導は、糖質制限「教」で

あり高タンパク「教」となり、治療ではなく思想になってしまい

ます。医療者側も患者側も気を付けねばなりません。

2018年10月22日 月曜日

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