前回、キャンペーンと絡めてビタミンCの免疫関与を紹介しました
が、それは異物が体内に入った時の対処、という意味合いです。
そもそもウィルスや細菌が侵入しないようにするにはどうしたら
よいのでしょうか。
人体と外界の境界でバリアになっているのは皮膚ですが、その
延長にあるのが粘膜です。口の中や鼻の中は皮膚と地続きですが
その表面は粘膜と言います。
この粘膜が粘液を分泌することで、異物を洗い流したり捕まえ
たりすることができるのですね。他にも、気道粘膜、腸粘膜、
膣粘膜など体内に異物を侵入させないために頑張ってくれて
います。となると、粘膜の質が感染防御に深く関与することが
うかがえます。
さて、その粘膜にはIgAという抗体があって直接的に異物を認識
しています。敵が入ってくるかどうかの監視役、と言うと分かり
易いかも知れません。このIgAが十分合成できるかどうかという
のがその人の防御力、と言っても過言ではありません。
で、IgA合成に必要な栄養素は何かというと、ビタミンA(VA)と
亜鉛です。腸粘膜の防御にはさらにビタミンD(VD)も必要です。
VAは鶏や豚のレバーに、亜鉛は牡蛎、VDはキノコ類に多く含まれ
ますが、既にONシーズンであること、これらのサプリメントは
比較的安いことを考えると、さっさとサプリを飲んだ方がいいかも
知れません。
いずれにしろ、感染症への防御能は薬ではなく栄養素が関与して
いることを知ってもらいたいですね。