「先生がパソコンに向かいっきりでこちらを見ない」とか「画面を
見ながら面倒くさそうに話した」とか、患者さんサイドからすると
電子カルテってあまり良い印象は無いかと思います。
そりゃもっともなんですが、医師サイドからすると分からなくも
ない面もあるのだす。そもそも紙カルテを運用していた医師が診療
しながらキーボード入力する、というのはかなりなハイレベルテク
なんですね。話を聞きながらカルテにペンを走らせる、というのは
自然なんですがそれがキーボードとなると話は全く違います。僕も
タイピングは苦手なので、診療中は紙にメモをして後からカルテ
入力をしています。つまり二度手間。
電子カルテは保存の面では強力なツールです。紙カルテの場合、
経過が長い患者さんの場合、カルテは結構な古文書(笑)レベルに
なることもあり、過去履歴を探すだけで一苦労だったりします。
その点、電子カルテなら苦労なく探せます。またカルテは5年間の
保存義務がありますが、紙の場合のその保存場所も馬鹿にならない
けど電子カルテならゼロで済みます。
ただ、これ以上のメリットがあるかというと疑問もあるわけです。
カルテは診療内容だけでなく、診療行為の指示も兼ねますので、
会計や事務に診療行為を提示しなければいけません。それが為され
なければ会計ができないので、カルテ記事は後からでも書けますが
ひとまず診療行為はタイムリーに記載しなければ診療が滞ってしまい
ます。クリックを間違うとそりゃもう焦る。(笑)
電子カルテ導入はほぼ義務なので、避けられないことですが電子
カルテの導入費用を国が負担してくれるわけでもないし(電子化加算
はありましたが)、費用対効果という面では決して医療側に有利と
いうわけではないのですね。加えて患者さんに不評となれば、診療の
質という面では電子カルテも見直されるべきものなのかも知れませんね。
…と珍しく愚痴っぽい記事になったのは、珍しく診療が混み合って
カルテ記載が追いつかず、なんだかんだ電子カルテに振り回されて
珍しく飲酒しながらブツブツ言いつつブログを更新しているせいでは
ないよ、全然。ホントに。