院長室

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電子カルテって便利か?!

「先生がパソコンに向かいっきりでこちらを見ない」とか「画面を

見ながら面倒くさそうに話した」とか、患者さんサイドからすると

電子カルテってあまり良い印象は無いかと思います。

 

そりゃもっともなんですが、医師サイドからすると分からなくも

ない面もあるのだす。そもそも紙カルテを運用していた医師が診療

しながらキーボード入力する、というのはかなりなハイレベルテク

なんですね。話を聞きながらカルテにペンを走らせる、というのは

自然なんですがそれがキーボードとなると話は全く違います。僕も

タイピングは苦手なので、診療中は紙にメモをして後からカルテ

入力をしています。つまり二度手間。

 

電子カルテは保存の面では強力なツールです。紙カルテの場合、

経過が長い患者さんの場合、カルテは結構な古文書(笑)レベルに

なることもあり、過去履歴を探すだけで一苦労だったりします。

その点、電子カルテなら苦労なく探せます。またカルテは5年間の

保存義務がありますが、紙の場合のその保存場所も馬鹿にならない

けど電子カルテならゼロで済みます。

 

ただ、これ以上のメリットがあるかというと疑問もあるわけです。

カルテは診療内容だけでなく、診療行為の指示も兼ねますので、

会計や事務に診療行為を提示しなければいけません。それが為され

なければ会計ができないので、カルテ記事は後からでも書けますが

ひとまず診療行為はタイムリーに記載しなければ診療が滞ってしまい

ます。クリックを間違うとそりゃもう焦る。(笑)

 

電子カルテ導入はほぼ義務なので、避けられないことですが電子

カルテの導入費用を国が負担してくれるわけでもないし(電子化加算

はありましたが)、費用対効果という面では決して医療側に有利と

いうわけではないのですね。加えて患者さんに不評となれば、診療の

質という面では電子カルテも見直されるべきものなのかも知れませんね。

 

…と珍しく愚痴っぽい記事になったのは、珍しく診療が混み合って

カルテ記載が追いつかず、なんだかんだ電子カルテに振り回されて

珍しく飲酒しながらブツブツ言いつつブログを更新しているせいでは

ないよ、全然。ホントに。

2018年11月22日 木曜日

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足ゆびを使う

健康教室などでも紹介していますが、足は体の土台の役目を

しているので極めて重要な部位です。中でも足のゆびは最重要

と言えます。

 

足のゆびと言うと外反母趾くらいしか疾患は思い浮かばないと

思いますが、足のゆびに問題があると、膝や腰痛、肩こりなど

全身に影響を及ぼします。それはひとえに足と足ゆびが

クッションの役割をしているからです。

 

クッション性が低下すれば、本来足で相殺できていた負荷が

他の部位にかかってくるのは自明です。足ゆびが使えないから

膝や腰に負担がかかる、という図式です。そうなると痛み止め

や注射で腰痛が仮に改善しても足ゆびを無視していたら結局は

再発することになるかも知れません。

 

ではどう診断してどう治療するか。まずは観察。足のゆびが

縮こまっていたり、節々にタコができていたりしたら危険な

サインです。さらに足ゆびを“パー”の形に広げられない、

曲げてるつもりが曲がっていない、というのも危ないですね。

 

ウチではさらにフットプリントと言って足の“魚拓”みたいに

接地面を観察する検査もしますが、やはり慢性疼痛のある

方は異常が多いです。

 

治療も薬ではなく運動療法が主になります。足の甲に包帯を

巻く方法や、ストレッチ法などで足ゆびを使えるように、

クッション性を高めるようにしていきます。正直、とても

地味ですが(笑)効果的です。最近ストレッチ法の一つで

ある「ゆびのば体操」の今井先生の新著が出たので是非

ご一読ください。これまでの内容と大きく変更はないですが、

一部ブラッシュアップされています。足ゆびが使えるように

なると足の冷えも改善されますよ!(^ ^)

2018年11月19日 月曜日

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自己投資

最近やっと根治療法や予防医学について議論される素地ができて

きたように思いますが、薬剤では対処ができないため根治療法=

予防医学=代替療法、みたいになってしまっているのは残念です。

 

確かにこれらは保険適応外のことが多く、結果として高額な治療

になってしまうことがほとんどです。これは平等な治療機会の理念

に反する、だから自費診療には慎重になる、という国の姿勢は

分からないでもないですが、自分の財を削って臨むことを否定する

のはそれはそれで不平等とも言えます。

 

まあそんな小難しい話はさておき、栄養療法においても検査や

サプリメントが高額になることがあります。では果たしてそれが

本当に予防になっているのか、という評価が為されなければ

やはり無駄な投資になるかも知れません。

 

高価なものが必ずしもその方に必要なものとは限りませんし、

高いものを使っていると何となく良いものだと信じてしまう、

という心理も作用します。っていうか信じたい的な?!(^ ^;)

じゃあ、何がよいか教えてよ、となりますがそこで必要なのは

正確な情報です。

 

診断に分析が必要であるの同じで、予防にも分析が絶対に必要

です。例えば「アンチエイジングに○○!」の○○を使うことは

予防医学ではありません。○○が必要かどうか分析すること、

そして必要であればどう実行するのが最適か、を知ることが

予防医学です。分析の結果今は必要ない、他の方法の方がコスト

が安い、というのも立派な予防医学と言えるでしょう。

 

予防医学を実践するには、現状確かに費用がかかります。でも

その費用は、何かしらの物品にではなく正確な情報を得ること

にこそ使うべきと思います。

2018年11月15日 木曜日

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コリコリのこり

デスクワークで肩こり、立ち仕事で腰のこり、などなど年末に

向けて忙しくなるのと、冷えてくることのダブルパンチでこの

季節は筋肉のこり症状に悩む方が増える傾向にあります。

 

もちろん背景に栄養的な問題が隠れていることは多いのですが、

なかなか自分で分析はできません。とりあえずの対処法は知って

おいて損はないですね。

 

こういうこり症状が悪化するのは血流が悪いせいですが、その

血流が悪化する要因は大きく2つです。それは同一姿勢が長い、

冷える、です。なのでこの2点に対策をすることができれば

いくらか症状は緩和できるでしょう。

 

まずは同一姿勢対策。一言で言えば「反対の動きをする」ことが

対策になります。下を向く姿勢なら上を向く、立ちっぱなしなら

しゃがむ、など。そしてその反対動作を何回もやるよりは、長く

止まることの方が効果的です。ストレッチの基本です。

 

そして冷えには当然温めること。そもそも冷えが悪さをしているか

を確認するのはお風呂で症状が軽くなるかどうかを見ることです。

もしそうであれば冷えの証拠ですから、痛み止めのシップなどは

使うべきではありません。対処としては衣類で保温、カイロで保温、

薬剤で保温、などいくつか方法はありますが、簡単なのは自作の

ホットタオルでしょうね。

 

濡れたタオルを絞ってレンジで30〜40秒くらいチンしてジップ

ロックに入れるだけ。これを首の後ろや背中、腰、腹などにあてる

のです。温めておいて先述のストレッチをやるとさらに効果的で

しょう。

 

ちなみに冷やす習慣は避けるべきですが、意外と冬でもやっちゃう

のが夕飯後や寝る前のアイスクリーム!これは冷やすだけでなく

糖と乳でさらに拍車かけますので絶対NGです。ドキッとした人

いるでしょう?(笑)

2018年11月12日 月曜日

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大は小を兼ねない

毎月の健康教室は一般の方向けなので薬剤の話は極力しませんが、

漢方についてはしばしば医療関係者向けに講演をしたりしています。

 

そこで強調するのは漢方薬の特性です。漢方薬の定義は「複数の

生薬で構成される」ことなので(例外はあります)、漢方薬の

特性を理解するにはここが出発点になります。

 

生薬はその名の通り「薬」なので、複数の生薬で構成されると

いうことは漢方薬1剤内服するだけで既にいくつもの薬を飲んで

いることです。西洋薬を処方するかの如く多剤併用するともの凄い

種類の薬を飲むことにもなり、却って副作用の危険があります。

 

そして漢方薬には同じような薬が存在します。例えば、有名な

八味地黄丸は六味丸に2つ生薬を足したものですし、その

八味地黄丸にさらに2つ生薬を足すと牛車腎気丸になります。

出世魚みたいですね。(笑)

 

こういう同系統の処方が種々あるのですが、ならば最初から一番

多く生薬を含むものを出せばいいんじゃね?ともなります。

確かに多種類の生薬を含めば効き所は増えますが、その生薬を

足す意味が必ずあるので、それを考慮しないで処方するのもまた

却って危険なんですね。つまり、生薬数の少ない処方にもちゃんと

意味ある、大は小を兼ねない、ということです。

 

また逆に「生薬を足すと全く違う薬になる」という説明も散見

されますが、もちろん元の生薬の効能が無くなるわけではないので

これは言い過ぎでしょう。さらに「体質改善」の生薬はないので

漢方薬を継続して体を元から作り直そう!ってのも言い過ぎですね。

 

まあこういう理屈っぽい話ばかりだと講演ではウケないんです

けどね。(^ ^;)

 

2018年11月8日 木曜日

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