院長室

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血圧コントロール

相変わらず日本人の事故以外の死因第1位はガンなんですが、

2位も3位も常連の心疾患と脳疾患です。両方とも血管障害が

関連するので、血圧コントロールの重要性が声高に叫ばれます。

 

しかしながら、心筋梗塞や脳梗塞は「血流不足で壊死」すること

がその本態なので、血管病変で眼を向けるべきは動脈硬化です。

高血圧も動脈硬化の結果ですから、そりゃ脳梗塞や心筋梗塞と

関連あり、となってしまいますが、血圧を頑張って下げても

動脈硬化が放置されれば梗塞の危険性はあまり減らないかも知れ

ません。血圧コントロールの目標値が厳しくなっても、梗塞に

よる死亡が減らなければ意味ないですもんね。

 

一応学会の姿勢として、薬物療法よりもまずは生活習慣の改善を、

と言っているのは素晴らしいのですが、その内容は塩分と動物性

脂肪の制限ですって。(^ ^;)それを言い続けてこの結果なんだけど、

とツッコミたくなります。

 

制限すべき塩分は「精製塩」ですから、未精製の海塩や岩塩は

あまり対象ではありませんし、これから暑くなって汗が多くなれば

むしろ多めに摂る必要があります。動物性脂肪の制限も恐らく

動脈硬化した血管にコレステロールが沈着していることから

提言されているのでしょうけど、そもそも沈着したコレステロール

は食事由来のものではありません。

 

動脈硬化は血管内皮の障害から始まるので、それを何とかしない

といけない。それは即ちストレス、酸化、酸欠対策です。じゃあ

そのためにはどうするか、という順番で組み立てる必要があり

ます。結局それはガンの対策にもなります。ゲノム解析して

オーダーメイドの抗がん剤を選ぶ、なんてニュースもありましたが、

何だかなぁ、という感じです。(^ ^;)

2019年5月30日 木曜日

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脂肪を燃やすには

夏に向けた薄着対策(?)でダイエットを試みようとされる方もみえる

と思います。さて、まず何をすべきか?

 

やはり最初に頭に浮かぶのは「運動」じゃないでしょうか。暑くなれば

体も動くし、脂肪も燃焼しやすい…はず!と一念発起してジム通いを

始めてはみたけれど、、、を毎年繰り返して結局薄着を諦めた、では

悲しいですね。(^ ^;)

 

「脂肪が燃える」とは即ち「脂肪がエネルギーとして消費される」と

いうことです。運動すればエネルギー需要が高まり、脂肪をエネルギー

変換しやすくはなります。しかしながら、脂肪をエネルギーにするため

には、まず脂肪が細胞のミトコンドリア内に入る必要があり、ミトコン

ドリアに入る時にはカルニチンという物質が必要なのです。

 

カルニチンは自身で合成可能ですが、実はそれにはアミノ酸と鉄と

ビタミンCが必要なのです。つまり、タンパク不足で貧血でストレス過多

の人はカルニチン合成がうまくいかず脂肪が燃焼しづらい、ということ

になります。こういう方は運動してもエネルギー変換効率が悪いので

ただ疲れるだけ、となってしまいます。脂肪が利用できなければ糖に

依存しますので、運動したら却って太る、という笑えない現象すら

起きかねません。

 

ということは脂肪燃焼のためにまずすべき事は、タンパク摂取と鉄不足

の解消、ストレス対策ということになります。もちろん糖摂取でインスリン

過剰になれば脂肪合成は亢進しますから、空腹時の糖NGも必須です。

ちなみに中鎖脂肪酸はカルニチン不要でミトコンドリア内に入るので

エネルギー変換効率がよいのです。ココナッツオイルを勧めるのはこの

ためです。運動する時には、お供に持っていくと良いと思います。

2019年5月27日 月曜日

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大麻の是非

また著名人が大麻で逮捕、となりました。著名人に留まらず若年層

での使用も増えているそうなので、他の薬物に比して広く使われて

いるのが実情なんでしょう。

 

是非、と問われれば法律的にはもちろんNGなので、「非」に

決まっているのですが、度々大麻の規制緩和が叫ばれますよね。

高樹沙耶さんの訴えなんかが有名です。曰く、医療用大麻は

危険どころか有益なんだ、と。世界では普通に治療に使用されて

いるのに日本は遅れている、救える可能性があるのに無慈悲だ、

と言ったところでしょうか。

 

まあ実はその通りなんですが、医療用大麻というのは存在しません。

大麻にはカンナビノイドという様々な成分が含まれるのですが、

その中のカンナビジオール(CBD)というカンナビノイドが治療に

有効だというのが分かっているのです。しかも癌やうつ、

各種免疫疾患など一般には難治と言われている疾患に効果が

あるってんだから、そりゃ使いたくなるわけです。

 

一方でテトラヒドロカンナビノール(THC)というカンナビノイド

は精神への影響があり、これが中毒性などの問題になります。

これがあるために日本では規制が厳しいのです。実際にラリって

運転したら事故に繋がるでしょうし、本人の身体もおかしく

なるでしょう。

 

栄養療法をやる医師の間でも、大麻の医療応用は度々話題になり

ますが、純粋にCBDだけの製品が作れるのか、どのくらいの

容量がベターなのか、どういう人に向いているのか、など解決

すべき問題は色々ありますから、いきなり合法になることは

ないと思います。特にこういう嗜好目的での使用が乱発すると

医療応用なんて夢のまた夢、なんてことになるでしょう。個人的

にはまだ静観かな、と思っています。

2019年5月23日 木曜日

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空腹時の糖NGって言うけど

食事指導をする時の基本方針で「空腹時での糖質摂取NG」があります。

要は食べる順番に留意して欲しい、ということですが、これは決して

糖そのものを嫌っているわけではありません。

 

不調の原因の多くはインスリンとアドレナリン、コルチゾールの

過剰分泌にあります。これを誘発するのが血糖値の乱高下です。そして

その血糖値の乱高下を招くのが空腹状態での糖摂取なので、指導の

対象になるわけです。

 

ではその指導対象となるかの判断を何で決めるのかというと、血糖値と

HbA1c…ではなく1,5−AGとかインスリン濃度とかリポ蛋白分画です。

それらを見ることで血糖乱高下が起きているかどうかを推理しています。

指導の内容としては野菜や前菜、メインのおかずを食べて最後に糖質を、

となるわけですが、意外と多く質問されるのが野菜を食べてすぐに米を

食べるのもNGですか?といったもの。

 

うん、まあアウトなんですが(^ ^;)、それは「多分」です。何せ、

上記の検査はあくまで推理しているだけで実際の血糖変化を見ている

わけではないからです。一番確率の高い方法が糖質を最後に回すこと、

というだけで、もしかしたらサラダを食べてすぐにうどんを食べても

血糖が変動しない人もいるかも知れません。

 

そういう弱みを解消できるのが持続血糖検査です。(詳細はコチラ

食事記録をしながらこの検査をすれば、どういう食べ方がOKかNGか

を判断することができます。完全に個人にカスタマイズした食事法が

決められるという点で他に類を見ない検査だと思います。あとは睡眠中

の血糖変化が分かるのもこの検査の特徴ですので、不眠や疲労の原因

究明の助けにもなります。目的がはっきりしていれば何度もやる必要は

ないと思いますので、食事方法に迷いがある場合なんかは一度チャレンジ

してみるのもよいでしょう。

2019年5月20日 月曜日

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コリの季節

…と書くと大袈裟かも知れません。寒冷期も血管収縮してコリます

から。でもここ数年の酷暑と多湿はかなり問題で、かなりのミネラル

アンバランスを招きます。

 

特に暑くなると足がつる方、汗が多いと倦怠感が出る方は要注意です。

自覚はなくても恐らく筋肉全体がこわばっていると思います。筋肉

がこわばれば、その隙間を通る血管やリンパ管、神経も圧迫され

ますから、筋肉だけの症状では収まらなくなります。

 

症状を挙げればキリがないので、もう先手を打って暑くなる前から

ミネラルバランスを整えておく方が良いでしょう。(なげやり?笑)

ここでも不足は補い過剰は排泄する、いわゆる「足し算と引き算」

が重要です。

 

足し算に向いているのは何をおいても天然塩です。未精製塩には

ミネラル成分が多く含まれるからです。僕は海塩である「ぬちまーす」

を一番にお勧めしていますが、岩塩でも結構です。血圧上昇を

気にされる方もいますが、精製塩でなければむしろ血圧コントロール

にも向いていますので気にすることはありません。そもそも

高血圧の定義自体が問題とも感じますが。

 

脱水も同時に補えるツールとしては硬水のミネラルウォーターが

いいですね。日本のミネラルウォーターは軟水ですので、海外製

のものがいいです。いわゆるスポーツドリンクはむしろ砂糖水

ですので、飲まれませぬよう。

 

そして引き算はしっかり汗をかくことです。多湿環境だとむしろ

汗が上手く出ずに熱がこもり、有害物質も排泄されませんので

汗をかいてすぐさま上記のものを足すことがコツと言えます。

あとは基本的に乳製品は控えることです。マグネシウム不足の

原因になったりしますから。特に閉経周辺の女性は注意が必要です。

 

これからどんどん暑くなると思います。しっかり「転ばぬ先の杖」

を用意して予防をしましょう!

2019年5月16日 木曜日

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