院長室

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リリースからの

ハイドロリリースのブーム(?)も一旦沈静化したようですが、

やはり患者さんは「痛みの治療」として認識されている方が多く

中には永続的に効果が続くと期待していたケースもありました。

まあ TV がそのように演出してたんだからしゃーないですが。

 

もちろん「痛みの治療」と考えて間違いではありません。ただ

やっているのは筋膜などの結合組織間を拡げることです。結果

として筋肉の動きがスムーズになったり、血管や神経の圧迫が

解除されたりして症状が楽になる、という理屈です。

 

裏を返すとハイドロリリースで効果があった方は、筋膜などが

密着してまっせ、という診断ができるわけですから、そうしない

ような工夫も必要となります。具体的にまず重要なのが仕事など

の姿勢ですね。同一姿勢が続くと多かれ少なかれ筋膜は密着し

筋はこわばっていきます。1時間から1時間半くらい同じ姿勢が

続いたら、“反対の” 姿勢を取りましょう。座っていれば反らす、

立っていたならしゃがむ、など。

 

またハイドロリリース後は隙間が拡がっているわけですから、

間を置かずによく動かすようにするといいです。肩コリの人には

肩甲骨を後ろに大きく回すように指導していますが、むしろ

こちらの方が重要です。

 

さらにリリース+運動でもすぐに戻ってしまう場合は脱水が隠れて

いる場合が多いです。水分補給とミネラル補給を並行させると

効果が持続するかも知れないです。ちなみにタンパク不足の方は

慢性的に脱水になっていますので要注意です。特に暑くなると

汗をかいて脱水になるだけでなく、食事をそうめんや冷や麦で

済ませてしまう傾向があるので、痛みの治療にもなると思って毎日

タンパク質は摂りましょう。

2019年7月18日 木曜日

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痛みとストレス

痛みに限らないかも知れませんが、なかなか良くならない症状と

遭遇した時、つい「ストレスが原因」と片付けてしまいがちです。

外的要因は正確にはストレッサーと言うべきですが、まあそれは

さておき。

 

確かにストレス反応で痛みが軽減しない、あるいは増強すること

はあります。慢性化すればなおさら。こういう場合、痛み止めは

あまり効かないことが多いので抗不安剤や抗うつ剤などが処方され

ます。漢方でも「気を緩める」系統の薬を使うことになります。

 

そもそもなぜストレスで痛みが悪化するのか、というと痛みを

抑える物質の低下と酸欠が起きているからです。痛みを抑える物質

の代表がセロトニンです。セロトニンの低下があると痛みを感じ

易くなるということです。抗うつ剤を痛みに使用するのはこの

機序があるからです。しかし抗うつ剤でセロトニンの絶対量が

増えるわけではないので、効果は部分的であることが多いです。

 

そして酸欠を来すのは血流障害ですが、これは血液の質の問題と

血管の問題に分けられます。血液の質の問題としては鉄をはじめ

とした栄養素が関係し、血管の問題は血糖乱高下が関与します。

セロトニンの合成もアミノ酸や鉄、ビタミンB群が関与しますから

ストレスは栄養の問題である、と言い換えられるでしょう。

 

抗うつ剤使用を否定するわけではないですが、並行して栄養問題

を見つけ出して解決することがとても大事です。

2019年7月11日 木曜日

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脳は脂肪のカタマリ

いまだにどうも脂肪は “悪者” と捉えられています。痩せるために

低脂肪のものを選んだり、動脈硬化が怖いからコレステロールを

含む食材を制限したり。実はコレ、結構危ない習慣です。

 

なぜなら脳は人体で最も脂質が必要な臓器だから。我々の身体で

一番コレステロールを多く含む臓器は何を隠そう脳です。また

細胞の膜は脂質二重層と言って、これまた脂肪でできています。

ここではω6系とω3系脂肪酸が必要です。

 

青魚を食べると頭が良くなるとか、認知機能が改善する、なんて

言われるのは青魚にω3系脂肪酸が多く含まれ、細胞膜の柔軟性が

確保でき情報伝達がスムーズになり得るからです。ω6系脂肪酸

は我々はむしろ過剰摂取気味なので、せっせとω3を摂れ、という

ことになるわけです。

 

コレステロールは細胞の形態を維持するために使用されるので、

複雑な形態であればあるほど需要が高まります。そして人体で最も

複雑な形をしている細胞が脳細胞なので、脳にはコレステロール

が多いのです。低コレスロール血症と認知症の相関が指摘される

のも頷けます。

 

脂肪を吸収するには胆汁が必要で、その胆汁生成にもコレステロール

が絡むので、低コレステロールがいかに不利益を産むかをもっと

知るべきと思います。ちなみに食材中のコレステロールは極めて

吸収効率が悪いので、自身で合成する必要があります。ここで

必要なのがビタミンB群やマグネシウムです。

 

おお、いつものヤツね。(笑)ビタミンやミネラルは自身で合成

できないので食事で摂取、それが難しければサプリメントで補助、

となるわけです。おお、これもいつものヤツや。(^ ^)

2019年7月8日 月曜日

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節煙、禁煙を

喫煙者はその割合も随分減り、分煙や禁煙対策などが進んでどんどん

肩身の狭い思いをされていることと思います。昔は僕も喫煙者だった

ので、その美味しさは分かります。

 

対策が厳格化されている背景には受動喫煙やマナーの問題が大きい

と思いますが、当然、本人にも良いことはありません。一般的には

肺癌などの悪性腫瘍と関連付けられることが多いですが、実はそれ

以前に身体全体に悪影響を及ぼすことが分かっています。

 

まずは酸素欠乏。着火時に一酸化炭素(CO)を吸ってしまうのですが、

COは酸素よりもヘモグロビンとの結合力が高いので、酸素を押しのけ

てヘモグロビンにくっつきます。結果として循環酸素量は減る、つまり

酸欠になってしまうわけです。酸素は身体中で必要ですが、特に

脳と筋肉で消費が激しいので、喫煙→酸欠→不眠や肩こり、となって

しまいます。心臓から一番遠い末端の冷えも出るでしょう。

 

じゃあ電子タバコなら良いかと言うと、今度はニコチンの影響があり

ます。ニコチンは自律神経の刺激伝達物質を邪魔してしまうので、

直接的に自律神経失調を招きかねません。ストレスが強くて喫煙して

しまうのに、喫煙がむしろストレスを強めているとしたら本末転倒

ですよね。

 

さらにさらに、喫煙ではビタミンCを大量に消費してしまうことも

分かっています。仮にビタミンCのサプリメントを摂っても、喫煙

すりゃチャラです。もったいない。当然ビタミンC不足による症状も

出現してきますから、良いことなしです。

 

昔から喫煙は百害あって一利なしなんて言いますが、まさにその通り

です。急に禁煙するのは無理だと思うので、計画的に少しずつ減らし

ましょう。きっと体調も良くなるはずです。

2019年7月4日 木曜日

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食事の盲点

栄養療法の骨子が食事指導であることは周知の事実であります。

その補助としてのサプリメントであり、その方針決定のための

各種検査であることもお伝えしてきた通りです。

 

まあ毎回「あれ食え」「これ食うな」と言われるのも鬱陶しいこと

だとお察し申し上げますが(笑)、実はその大前提としてさらに

重要なのは「よく噛むこと」です。意外とここが盲点なんですなぁ。

 

例え非の打ち所のない食事を用意しても、咀嚼がしっかり為され

なければ、そのぶん胃腸の負担は増えることになります。食材の

まま吸収されるわけじゃないですからね。もともと日本人は胃酸が

少ない民族でもありますから、より噛むことが重要になります。

 

もしもしっかり咀嚼されない食材が胃腸に落ちれば、吸収不全を

招くだけではなく、腸内細菌のアンバランスをも来しかねません。

また噛むことは満腹中枢への刺激にもなりますから、過食を防ぐ

効果もあります。

 

もしも良い食事をしてるはずなのに、腹が張る、とか腹痛が出る、

とか便臭やガス臭が強い、と感じたら一度咀嚼習慣を見直してみる

必要があるでしょう。費用かからんし。また歯科治療中であったり

顎関節症があったりすれば、それも咀嚼不全につながりますから、

より吸収に気を配らねばなりません。消化酵素剤を使用するのも

一つです。

 

昔から食事の際に「一口20噛み」なんて言いますが、まさにその

通り。既に腹に不調がある場合はさらに噛んでもいいくらいです。

忙しい最中ほど、食事はごゆるりと。

2019年7月1日 月曜日

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