痛みに対して、冷やすべきか温めるべきかと質問されることが
結構多いです。答えは単純で「楽なほう」なんですが、これだと
怒られるかも知れないので(^ ^;)もう少し解説を。
痛みに限りませんが、病態は急性と慢性に分かれます。例えば
捻挫や骨折は急性で、肩コリや膝の変形は慢性です。急性の場合、
炎症が強いことが多いので基本的には冷やすべきです。
逆に慢性の場合は血流不全や冷えがあったりするので、温める方が
良いことが多いです。それでも、お風呂に入った時に痛みが増す
ようなら熱が悪さをするわけですから、慢性であっても冷やす
べきでしょう。風呂で痛みが軽減するなら安心して温めてください。
ややこしいのは温湿布と冷湿布でしょうか。湿布薬は痛み止めを
皮膚から浸透させるものですから、痛み止め=抗炎症剤の影響が
出ます。抗炎症剤は血管収縮作用があるので、総じて冷やす薬に
分類されます。温湿布であっても身体を冷やす、ということです。
温湿布はカプサイシン、冷湿布はメンソールが付いていて「温感」
「冷感」作用があるだけで実際に体温までは左右しません。
冷え症で乾燥傾向のあるお年寄りが膝や腰に湿布を貼ったまま
寝たりしますが、これは逆効果ですね。サポーターの下に湿布を
ベタベタ貼っていたりもしますが、サポーターは保温ツール、
湿布は冷却ツールなのでアベコベな対処です。逆に運動中に捻挫
したのを放置して腫れが引かない、というのは冷却不足です。適切
な対応をしましょう。
ちなみに温める薬は西洋薬にはありません。ここは漢方薬の出番
なんですねぇ。慢性で冷えで痛くなる、という時は湿布じゃなくて
漢方薬がお勧めです。