これはインスリン分泌において問題となる状態です。インスリンは
人体で唯一の血糖降下作用を有する膵臓のホルモンです。糖尿病には
このホルモンの分泌異常が必ず絡みます。
インスリン抵抗性とは、インスリンの効きが悪くなっている状態で
血糖が下がりにくくなるので、高血糖の時間帯が増えます。対して
インスリン過剰分泌では必要以上にインスリンが出るので血糖が
下がり過ぎてしまいます。
抵抗性があれば高血糖になるので過剰分泌が誘発されますし、また
過剰分泌で膵臓が疲弊すればインスリンの効きも悪くなります。
抵抗性と過剰分泌は表裏一体と言ってよいでしょう。これらが続く
ことで糖尿病という診断に至りますが、現在の糖尿病診断は血糖値と
HbA1cを主に見るにすぎません。これらの数値が悪くなるのは
抵抗性と過剰分泌が結構進行してからです。つまり早期診断には
そもそも向いていないと言えます。
とにかくインスリンを無駄使いしないこと、これが最大かつ最高の
予防と治療です。と言うことはやはり高血糖にならないような食事が
重要となります。そして高血糖になるのは糖質量よりも食べる順番の
方が大きく関与するので、空腹状態での糖質摂取を厳しく指導する
ことになるんですな。精製された糖ならさらに上昇しやすいので
玄米や全粒小麦などの未精製炭水化物に変えることも言います。
最近ではインスリンの反対の作用をするグルカゴンの過剰がそもそも
悪い、という論もあります。グルカゴン過剰により高血糖になり、
それに反応してインスリン過剰になる、ということです。グルカゴン
過剰の原因には酪酸不足が指摘されています。酪酸は腸内善玉菌に
より産生されるので、ここで腸内環境が関わってくるわけです。
そこで酪酸の原料となる水溶性食物繊維を含む海藻類を常食する
ことが追加治療となるのです。
まあ結局いつも言っていることなんですが(笑)、糖の問題は
血圧や脂質、アレルギーや脳機能、痛みや冷え、成長にも老化にも
関係するので耳にダイオウイカができるほど言いまっせ。(^皿^)