え〜、まず、ヒューゴは特に何も発明してません。(笑)
巨匠、マーティン・スコセッシ監督初の3D映画で、しかも子供が
主人公のファンタジーアドベンチャーって触れ込みの大作です。
…が、これは宣伝法が間違っているのでしょうが、はっきり言って
子供向けではありません。
これまで硬派な人間ドラマを撮ってきたスコセッシ監督が、そんな
子供向けのSFじみた映画を3Dで撮る、という意外さに興味があり
僕は観に行ったのですが、何のことはないしっかりスコセッシ映画
でした。(^ ^;)
では人間ドラマとして面白いかというと、やや難ありです。脚本や
演出などは確かに完成度が高く、「全ての存在に無駄なものはない。」
というメインテーマに則って、登場人物にも絶妙に役割分担がされて
いるし、黎明期の映画に対する監督の深い愛情も上手く表現されて
いますし、3D技術の使い方にも驚かされました。
…でも退屈なんすよ。
主人公ヒューゴに感情移入しにくい点が最大の問題かなと思います。
ストーリー展開のための記号的な行動をするので、大人の都合でやらされて
いるように見えて、なんか悲劇的な演出をされても同情できないんですよね。
巨匠と言えど、子供を描くのはニガテなんかな、と思っちゃいました。
僕がひねくれているだけかも知れませんが。(笑)
あ、あと随所に入るBGMが全然マッチしてなくて邪魔です。
ということで、「シャッター・アイランド」に続きスコセッシ監督には
またハズされた感がありますが、美しい映像を目当てに行けば満足は
得られると思います。