院長室

« 7月 2024 5月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

ヤケドの季節到来

今週中頃から本格的な寒波がやってくるとか。そうなると暖房器具やカイロの

お世話になる人が増えて、必然的にヤケドの患者さんも増えます。不幸にも

ヤケドを負ってしまったら湿潤療法を行えばいいんですが、いまだに食品用の

ラップは医療用品ではないから使うべきではないという非科学的な意見がネット

でも散見されます。曰く、ラップ療法で重症感染症が起きたとか。


ラップは湿潤環境を整えることは得意ですが、浸出液の吸入能力は皆無です。

浸出液が溜まれば、そこで細菌が繁殖するので確かに感染症は起こり得ます。

ただ、湿潤療法は「最適な湿潤環境が創傷治癒を促進する」と言っているので

あって、決して「ラップがサイコー!」なんて言ってません。湿潤環境を整える

ための一つのツールで、吸収能力を補助する工夫は必要だと言っています。それを

ラップ療法の患者に感染症が起きると鬼の首を取ったように騒ぎ立てるのはどうか

と思うんですけどねえ。ただ単にラップの使い方を知らなかっただけだろうに。

岡田准一に教えてもらえ。


と言うことで、皆さんも積極的に湿潤療法を行って頂くのは一向に構いませんが、

ラップの利点欠点や、なぜ湿潤でキズがよくなるのか、という基本事項は知って

おいた方が良いと思います。基礎を知らないと誤った情報に流されてしまいがちです。

もちろん基礎を学ぶのであれば、夏井先生のサイト「新しい創傷治療」や各著書が

良いでしょう。

もっと根本的に、そもそも冷えなきゃいいじゃん、という対策をしたければ、身体の

熱量を維持する=筋肉量を維持する=高タンパク食、っていうのも当然アリです!(^ ^)

2012年11月12日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ

糖質制限ケーキ

と言っても、市販品ではなく手作りのナンチャッテものです。(笑)

先日、下の姪の誕生日だったので妹が奮起して糖質未使用のケーキ

作りに挑戦したのであります。実は僕が卵に、義理の弟が牛乳に

遅延型アレルギー反応が出てしまったので、なんと卵と牛乳も未使用

という結構なハードルの高さ。これでケーキなんてできんの?!って

言うか、そこまでしてケーキ作らなアカンのかい?!的なツッコミも

聞こえてきそうですが(^ ^;)、意外や意外、割とフツーのケーキ

な味でした。


糖質制限の指導で、まず間違いなく言われるのは「じゃあ、何を食べたら

エエのよ?」です。まあ、タンパク質をしっかり食べればいいんですが、

こういう質問が出るというのは、いかに普段から糖質寄りのメニューが

多いかという裏返しでもありますよね。ただずっとタンパク質食でも

飽きてしまうし、たまには甘いものも食べたいというのが人情。そんな

時は、こうやって糖質オフのケーキなど工夫してみるといいと思います。

普段こういった類のモノは一切作らない妹にもできるんだから、皆さんも

ちょっとその気になれば大丈夫です!

幸い、現在色んな糖質オフのレシピ本も出版されていますから、蛋白食に

飽きた方、心が折れそうな方(笑)は是非挑戦してみてください。


妹が載せろとせっつくので、今日は写真も掲載です。(^ ^)

2012年11月8日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

マイコってる

各メディアでも話題になっているマイコプラズマですが、やはり相当

流行っているようです。マイコプラズマは小児感染が多く、専用の

抗生物質が良く効くことから、あまり重大になることはないとされて

いましたが、近年は随分と様変わりしています。


まず成人にも感染例が増加していること、そして何より専用の抗生物質

が効かなくなっていることです。大流行の原因はこれが一番かと思います。

一部報告では約30%の例で抗生剤が効かないとか…。

新たにまた抗生剤が開発されるんでしょうけど、そもそもこれが無効例を

作る原因でもあります。菌交代現象といって、同じ抗生剤が使い続けられる

ことによって、その薬剤に耐性を持つ菌が産まれてしまう現象です。

すると新しい抗生剤が開発されてしばらくは効果を発揮するのですが、

しばらくするとまた効かなくなる、という繰り返しです。


となると抗生剤だけではイマイチ不安なので漢方薬を併用することになり

ます。マイコプラズマに効く漢方があるわけではないのですが、主症状が

咳であることから、咳治療に使用する漢方薬が頻用されます。それでも

芳しくない例もあるのですが…。

とにかく、最近のマイコプラズマはやっかいですわ。(^ ^;)


診断はその日に結果が分かる迅速キットもあるのですが、信頼性が今ひとつ

ということで、ウチでは採血で抗体検査をしています。2〜3日かかりますが

信頼度は高いです。風邪を引いて咳だけがずっと治まらない、なんて人は

要注意ですぞ。

2012年11月5日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ

5年目突入

今日で開院して4年が経ちました。リハビリなどの数を回転させる診療

でなく、あくまで質にこだわったスタイルで続けて来られていることに

素直に感謝しています。医療保険はもう破綻寸前で、いかに緊縮できるか

ということで診療点数は下がることはあっても上がることはありません。

そんな中でも、高齢化を背景に医療費は膨張を続けはっきり言ってドン

詰まり感が蔓延しています。そうなるとクリニックだって当然経営問題

がありますから、ついつい「質より量」的な診療に流れがちです。

バランスは必要ですが、これからも何とか質にこだわった診療をしていき

たいと思っています。


そんな記念日に合わせたのか(絶対違う)、一宮駅の新ビルが今日オープン

しましたね。結構な賑わいだったそうですが、一宮人に成城石井はマッチ

しているのかどうか…。(^ ^;)

それよりも僕は駅前ロータリーを改善して欲しかったです。雨天時など

降車スペースが満タンになって本町ロータリーからの道が大渋滞になるんすよ。

ちょっと工夫すれば解消できそうなのにねぇ。5分経つと落とし穴が開くとか。(笑)

あとは本町通りと駅をつなぐ道に屋根をつけて欲しいですね。駅ビルが

賑わうのは結構ですが、このままだとさらに本町通りは無人状態に…!

そのうち昼間も子供達がダンス練習始めまっせ。(ローカルネタですんません)


5年目突入ということで、延び延びになっていたHPのリニューアルももう

少しでできそうです。デザインはほとんど変わりませんが、診療内容について

かなり追加があります。お楽しみに。(^ ^)

2012年11月1日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

シーズン終了

プロ野球じゃなくて、僕の学会シーズンです。昨日までのオーソモレキュラー療法の

講座をもって今年の学会シーズンが終了しました。今年は高知へ行ったりと西へ東へ

大移動でした。東海地方は中間地点なので、移動が楽だと思われがちですが、なぜか

東海で開催されることはまずないので、常に移動が必要という弱点があったりします。

ちかれたよ。


で、そんな移動のお供はスマホ…はまだ全然使いこなせてないので(^ ^;)、専ら小説

となります。今回のあまたの移動で読破した小説でアタリだった作品をいくつか紹介

しましょう。

・「追撃の森」(ジェフリー・ディーヴァー 著)

「ボーン・コレクター」で有名なリンカーン・ライムシリーズを手がける作者による

シリーズ外作品ですが、意外とよい。得意のジェットコースター的展開をサバイバル

アクションでやってみた、というお話。シリーズの登場人物ほどキャラは立っていません

が、さすがのスリルでした。いつも超絶ボリュームで「こんなん読めるのか!?」と思い

ますが、すんなり読めちゃうところがまた魅力の証明でもあります。でも訳者がいつも

と違うのでちと読みづらかった。

・「147ヘルツの警鐘」(川瀬七緒 著)

昆虫法医学という、どマイナーな分野を扱ったミステリィですが、つまり僕のストライク

ゾーンなわけで、あまり期待していなかっただけにとても満足しました。死体の腹から

ウジの塊が出てくるという、無理な人には全く無理なグロい冒頭ですが決してスプラッタ

ではなく、この異常な事態を昆虫の生理を解き明かすことで解決に導くという離れ業を

やってのけています。万人受けはしないでしょうが、まあ、つまりストライクです。(笑)

・「常識にとらわれない100の講義」(森博嗣 著)

小説ではないんですが、僕にとって最も波長の合う作者が書いたエッセイです。波長が合う

と言っても友達にはなれそうにはないんですが(笑)、この人の論は常にシンプルで客観的

なので、読んでいてとても心が落ち着きます。冷淡だとの評価もありますが、事実に感情を

乗せることが公私混同でもあるので、そんな評価は作者の思うつぼでしょう。

近々、もう出ないと思っていたシリーズの続編が出るので、とても楽しみ。断筆と思わせて

裏切るあたりが既に彼の演出だったりして。


とまあ、映画と同じでかなり偏った趣味なので強力オススメ!というわけにはいきませんが、

なんかいつもと違う本が読みたいなぁ、なんて思ってる方は試してみるのもいいかもです。(^ ^)

で、学会はちゃんと聞いてたんだろうな?というツッコミはなしの方向で。

2012年10月29日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ