今週中頃から本格的な寒波がやってくるとか。そうなると暖房器具やカイロの
お世話になる人が増えて、必然的にヤケドの患者さんも増えます。不幸にも
ヤケドを負ってしまったら湿潤療法を行えばいいんですが、いまだに食品用の
ラップは医療用品ではないから使うべきではないという非科学的な意見がネット
でも散見されます。曰く、ラップ療法で重症感染症が起きたとか。
ラップは湿潤環境を整えることは得意ですが、浸出液の吸入能力は皆無です。
浸出液が溜まれば、そこで細菌が繁殖するので確かに感染症は起こり得ます。
ただ、湿潤療法は「最適な湿潤環境が創傷治癒を促進する」と言っているので
あって、決して「ラップがサイコー!」なんて言ってません。湿潤環境を整える
ための一つのツールで、吸収能力を補助する工夫は必要だと言っています。それを
ラップ療法の患者に感染症が起きると鬼の首を取ったように騒ぎ立てるのはどうか
と思うんですけどねえ。ただ単にラップの使い方を知らなかっただけだろうに。
岡田准一に教えてもらえ。
と言うことで、皆さんも積極的に湿潤療法を行って頂くのは一向に構いませんが、
ラップの利点欠点や、なぜ湿潤でキズがよくなるのか、という基本事項は知って
おいた方が良いと思います。基礎を知らないと誤った情報に流されてしまいがちです。
もちろん基礎を学ぶのであれば、夏井先生のサイト「新しい創傷治療」や各著書が
良いでしょう。
もっと根本的に、そもそも冷えなきゃいいじゃん、という対策をしたければ、身体の
熱量を維持する=筋肉量を維持する=高タンパク食、っていうのも当然アリです!(^ ^)