院長室

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湯 or 水?

漢方薬を処方する時にいつもつきまとうのが「飲みにくさ」です。

不味いしぃ〜粉だしぃ〜ってことで、それだけでNG!と言う方も

みえます。そういう方を説得するのはもう諦めましたが(笑)、

なんとか始めてくれた方でもやはり飲みにくさから次第に敬遠して…

というパターンも実は多いです。


漢方薬はもともと生薬を複数煎じて、出てきた液体成分を飲んで

いたんですが、煎じるのが面倒かつコストフルなので、現在の

インスタントコーヒーのような剤型になりました。漢方薬サイド(?)

からすると随分な歩み寄りで、これだけ飲み易くしたんだから

カンベンしてよ、というのが本音です。特に葛根湯や芍薬甘草湯

のような「〜湯」と言う名称の薬は湯で飲むというルールです

ので薬本来の効能を発揮させるためと思って、できれば湯に溶いて

飲んで頂くようお勧めしています。


ではその効果が確かなものかの証拠があるのか、と言うと実はあり

ません。湯に溶いて飲んだ場合と、水でサッと飲んだ場合で差があるか

は分からないんですね。これがまた強く勧められない理由でもあるん

ですが、僕個人の経験でも湯に溶いて飲んだ方が効果があるように感じ

ます。黄連解毒湯や呉茱萸湯といった強烈な味の薬まで常に湯で飲め

とは言いませんが(^ ^;)、ここぞという時は是非お湯で溶いて飲んで

みて下さい。

2013年4月4日 木曜日

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しょんぼり

先日、AKA−博田法の専門医認定試験の結果が出ましたが、残念ながら

不合格でした。結構自信あったのになー。まあどんな試験もなぜか常に

自信満々な僕ですが。(←それがダメなんじゃ? ^ ^;)


AKA−博田法に限らず、他人の身体を直接触る治療は完全に「術」なので

正確に再現するのが難しくなります。どうしても言葉に表現できない部分が

あるからです。そうするとその評価法というのも大変に難しくなります。

しかしこういう資格試験を取り入れることには賛成です。評価が難しいから

こそ自己流になりがちで、そうなれば正しい効果が出ないどころか患者さん

に不利益を産む可能性があるからです。


特にAKA−博田法は関節の微妙な動きを触知して矯正していく技術なので

難易度はヘタしたら最高レベルなんじゃないでしょうか。専門医の資格が

ないと宣伝ができないことになっており、そうすると症例数が増えず経験値

も上がらない、というジレンマがありますが傷をつけることなく、また痛み

すらなく治療できるのは貴重だと思います。


とりあえず治療自体は今まで通り行っていますので、ご希望の方は直接スタッフ

か僕にお申し付け下さい。(あ、これって宣伝になるのかな? 笑)

2013年4月1日 月曜日

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「クラウド・アトラス」

ウォシャウスキー兄弟(今は姉弟らしいですが ^ ^;)による壮大な転生の物語。

中世から未来までの6つの世界の物語中、それぞれのキャラクターがある時代

では悪人だったり、別の時代では善人だったりと転生していく様が面白い。

 

原作では時代順に物語が描かれているそうですが、映画版では6つの時代を同時

並行で描きます。ここがこの映画の一番の見所でしょう。冒頭、いきなり6つの

世界がバラバラに描かれて、さっそくチンプンカンプン。やべぇ!ついて行けない

かも!的なスリルを味わえます。(笑)さらに3時間に及ぶ尺なので、途中で

気持ちが折れてしまうと(?)苦痛の時間となること請け合いです。まあ、つまり

この演出は長所でもあり短所でもあるんですね。

 

しかしさすがはウォシャウスキー、それぞれの物語のリンクする点を上手に

つなぎ合わせることで、見事に一つの作品に昇華させています。6つの

クライマックスが同時に迫るラストのカタルシスは圧巻です。僕的にはこの演出は

大成功でした。

 

あとは役者の七変化(?)が面白いです。後から、えっこの役はアイツだったんかい!

で盛り上がるでしょう。ハル・ベリーにあの役はないだろ…。みたいな。(^ ^)

トム・ハンクスさん、ヒューゴ・ウィーヴィングさん、ヒュー・グラントさんなど

そうそうたる顔ぶれが特殊メイクで笑わせてくれます。

どうも日本では宣伝もしていないし、配給会社も極端に少ないですよね。アメリカでの

興行成績が不良だったらしいですが、むしろ原発批判している内容が問題なのかな?

と勘ぐってみたり。鑑賞前のトイレは必須ですし(笑)、ある程度心構えも必要な作品

ですが、是非とも体験してみて欲しいです。

2013年3月29日 金曜日

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良薬口に苦し?

僕らが使う漢方薬は、生薬を煮出して作る煎じ薬ではなく、それを

さらに特殊な技術で顆粒にしたエキス剤です。エキス剤は味を調整

されているので、煎じ薬よりは概ね飲みやすくなっていますが、中

には結構トンデモナイ味(^ ^;)のものもあります。


真面目な方は「良薬口に苦し、だから仕方ないね。」と文句も言わず

頑張ってくれるのですが、実はこの味の感じ方も大事な所見になる得る

のです。もともと生薬にはそれぞれに特有の味があります。今絶賛

流通中の小青竜湯は酸っぱい味ですし、こむら返りの特効薬芍薬甘草湯

はその名の通り甘いです。逆に黄連や黄柏が入った黄連解毒湯はかなり

苦いです。


こんな特有の味を別に抵抗なく飲めた時は、その漢方薬は合っている、

と判断でき、飲み易い味でもどうも飲みにくい、なんてのはあまり

効果が期待できないことがあります。全くもって科学的ではありません

が、結構こういう場面に遭遇するんですよね。なので、初めて飲む漢方薬

は、いきなりオブラートに包んじゃえ!じゃなくて、一度は味わうこと

をオススメします。意外な発見があるかも知れませんよ。(^ ^)

もちろん、言うこと聞いて損した!と思うこともあり得ますが。(笑)

2013年3月25日 月曜日

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糖尿病学会の発表

昨日の新聞に「糖質制限は危険」なる記事が出てましたね。それも日本

糖尿病学会が発表ということで、結構大きく取り上げられていました。

こういう記事が出る度に一々釈明しないといけないんで面倒なんですが(^ ^;)

患者さんが混乱するので改めて解説を。


まず僕らが勧めている糖質制限は糖質そのものを否定しているわけではあり

ません。糖質は貴重なエネルギー源で、生命活動には必須です。極論すれば

「食事という行為は、血糖値を保つため」と言えるほどです。特に脳細胞と

赤血球は糖質依存度が高く、低血糖下ではダイレクトに悪影響を受けます。

ただ、その糖質を「何から得るか」が問題なわけです。単純に考えれば糖質

を摂って血糖値を維持するのが手っ取り早いと考えますよね。ここが間違い

なんです。実は僕たちの身体はどれだけ糖質制限しても通常血糖値は70を

下回りません。ということは糖質以外から血糖値を維持するシステムが備わって

いるわけですね。これが糖新生と言われるもので、タンパク質や脂質から

糖を作る機構です。糖質制限をして不調が出る方は、この糖新生に何らかの

異常があるために血糖値が維持できないせいです。だからこそ、糖質制限と

高タンパク食はセットで考えるべきなんです。


そもそも糖質は口から入ると半分が肝臓に貯蔵されます。血中の糖はものの

数時間しかもたないので、貯蔵した糖を小出しにして血糖値を維持します。

しかし、この貯蔵した糖質も12時間分ほどしかありません。そこでタンパク

質や脂質から糖新生して血糖値を下げないように調節しているんですね。

学会の発表では糖質は60%くらいの割合で必要、なんて出ていましたが

そうすると蛋白や脂質の割合が減って糖新生が上手くできず、すぐに低血糖

(=空腹)になって過食になるという悪循環が始まるわけです。

さらに糖質を摂りすぎることで交感神経緊張を招き、自律神経失調症状が

出現するのはこれまでにも説明した通りです。糖質を摂らなくたって血糖値

が維持できて糖質を摂ると嫌な症状が出るんですから、方針は自明ですよね。


あとの内容はもう「エビデンス(確証)がない」だとか「西洋人と日本人では

肥満度が違うから」とか、それこそ推測の域を出ない論法で話になりません。

こういう“大本営発表”には公言できないウラ事情があるのが常ですから、今回の

学会の発表も何か事情があるのでしょう。推測の域を出ない話は控えますが…(笑)

とういことで、糖尿病学会の発言は音速で右から左に聞き流してあげて下さい。

2013年3月21日 木曜日

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