院長室

« 7月 2020 8月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 9月 »

漢方薬解説-23 黄連解毒湯

漢方薬は身体を温める効果を持つものが多く、これが西洋薬と

比較した時の大きな違いの一つでしょう。しかし、逆に冷やさ

なければいけない病態も、もちろん存在します。

 

・黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ 15番)

構成:黄連2g+黄芩3g+黄柏1.5g+山梔子2g

 

生薬4種のみのシンプルな構成ですが、これら全てが「冷やす」

効能を持ちます。正確には内部の熱(裏熱と言います)をさばく

のが得意で、即ち胃腸炎が最も良い適応ですが、皮膚の熱や

頭部の熱などにも効果があります。

 

よく応用されるのが、ほてりを伴うイライラや、熱感のある

鼻出血です。更年期症候群で頻用される加味逍遙散(24番)

に山梔子(サンシシ)が配合されていますが、これはほてりと

イライラを取る目的、ということですね。

 

4種とも同じような効能ですが、黄連(オウレン)と黄芩(オウゴン)

は特に併用されることが多く、この2つを主役にした薬を

芩連(ゴンレン)剤と呼んだりします。探すと結構ありますよ。

 

ここで注意すべきは15番はひたすら冷やす薬なので、副作用

として冷えてしまう可能性があります。もちろん元々冷え症の

方には使いづらい薬です。さらに冷やすと同時に「乾かす」作用

まであるため、例えば脱水症でほてりがある場合には禁忌です。

 

そこで15番の弱点を補う目的で四物湯(シモツトウ 71番)と

合体させた薬があります。それが温清飲(ウンセイイン 57番)です。

71番は血流を改善し、組織を修復させる作用がありますが、

配合される地黄(ジオウ)が潤す効能を持つので15番の副作用

を軽減できるわけです。

 

例えばアトピー性皮膚炎で、局所はかゆみも赤みもひどいけど、

冷え症であったり、皮膚がガサガサで乾燥傾向だったりした場合

15番は使いづらくなります。しかし57番なら15番の良い

ところを残しつつ組織も修復し、かつ副作用も抑えられるので、

意外と使用場面が多いです。この57番にさらに生薬を追加した

荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ 50番)、柴胡清肝湯(サイコセイカントウ

80番)なんて薬もあります。

 

とても有用そうな薬ですが、難点が一つ。芩連剤はチョー苦い

んです。(^ ^;)苦味そのものが熱をさます効果があるので

当たり前と言えば当たり前なんですが、何も言わずに出すと

嫌われて来院しなくなることもあるので(笑)、処方する際

には「こいつぁ苦いぜ!」と言うようにしています。

2020年8月31日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ

検査価格変更

栄養療法の一環として行っている遅延型アレルギー検査の

価格改定がありますのでお知らせ致します。

 

これまでは27000円(+送料)を頂いておりましたが、

9月検査分より30000円(+送料)に変更となります。

検査会社側からの要請なのでどうしようもないのですが、

単に価格が上がるのではなく、検査項目の大幅追加があった

ためです。これまでは約90種類の食材に対するIgG抗体を

検査していましたが、一気に170種類余りに増えます。

もちろんこれまで同様カンジダ抗体も測定されます。

 

え?!じゃあ、1食材の検査コストはむしろ安くなってん

じゃーん!…というのがあちら側の売り文句なわけですが

正直僕としては食材の種類は増やさなくていいからコスト

そのままでやってよー、というのが本音です。(^ ^;)

 

遅延型アレルギー検査は有用ではありますが、これだけで

完結するものではありません。血液検査や有機酸検査と

合わせて評価することでその真価を発揮すると言っても

良いでしょう。だからなるべく単体のコストは抑えたい、

というわけなんです。

 

まあ決まったものは仕方ないし、こちらも背に腹は変え

られないので、申し訳ありませんが御理解のほど、どうぞ

宜しくお願い申し上げます。m(_ _)m

2020年8月31日 月曜日

カテゴリー お知らせ

タグ

汗かいてますか?

朝晩はずいぶん秋の気配を感じるようになってきましたが、日中はまだ暑いですね。

 

熱中症対策として、エアコンが欠かせません。

ただし一日中エアコンの中で過ごしていると、汗をかくことができません。私たちは汗をかくことで体の熱を逃がしますが、それができなくなってしまうんですね。

結果、体の中に熱がこもります。

 

熱がこもると、ほてり、頭痛、めまい、かゆみ、生理の不調などを招くもとに。

対策としては、時々窓を開けて温かい空気を入れたり、朝や夕方の涼しい時間帯に散歩したりしましょう。毛穴が開いて、熱を逃がしてくれます。

 

注意点としては、だらだらと汗をかき過ぎないこと。

 

汗をかくと身体から水が抜けます。身体に熱がある状態で、汗として水が抜け過ぎてしまうと、冷ましたり潤したりすることができません。

そうすると、筋肉がこわばったりつったりします。

 

何事も適度にバランスよく、ですね。

2020年8月29日 土曜日

カテゴリー はりの部屋

タグ

うつは栄養不足?

「抑うつ」と「うつ病」は厳密には違いますが、客観的に

診断するのが難しいので線引きは曖昧です。現在、長引く

自粛や蔓延する煽り報道で気分的な落ち込みを感じる方が

増えている印象です。経済の損失だけでなく、うつ症状も

コロナ禍の一つではないかと思います。

 

さて、うつ症状と栄養不足との関連は溝口徹先生の代表作、

うつは食べ物が原因だった」に詳しいですが、要は脳内の

ドーパミンやセロトニンといった感情を左右するホルモンの

合成低下は栄養不足からくるよ、ということです。それらを

合成できない、もしくは需要に追いつかない状態になると

うつ症状が出るわけですな。

 

この代謝には様々な栄養素が関与しますが、中でも特に重要

なのがビタミンB群です。ホルモン合成全てのルートに関与

すると言っても過言ではありません。ビタミンB群は8種類

あり厳密には全種が同等に必要と言うわけではないのですが、

相互に活性化し合って働くので、まとめて扱うのが基本です。

 

ビタミンB群は豚肉に多く含まれるので、なるべく多めに

摂るよう指導したりしますが、食材だけでは不十分だったり

腸内環境が悪く吸収効率が悪そうであれば積極的にサプリ

メントを使用します。いや、サプリメント飲んでるんだけど

あまり効果を感じないなー、という場合はビタミンB群の

消費亢進を考慮しなければなりません。

 

ビタミンB群は糖代謝で大量に消費されてしまうので、糖質

過剰な食事をしていると無駄に使われてしまいます。高価な

サプリが糖と共に消えていくのです。(泣)それだけでなく

糖過剰により血糖乱高下が引き起こされれば、アドレナリン

過剰やコルチゾール不足を招いて直接的に精神的症状を出す

ので、ビタミンB群温存と血糖安定の2つの意味で糖質制限が

必要になります。

 

ビタミンB群以外にもマグネシウムや鉄も重要だし、そもそも

ビタミンB群不足にさらに原因があったりするので、一筋縄

ではいかない場合もありますが、少なくとも気分の落ち込

を感じたら、イキナリ抗うつ剤!ではなく食事を見直して

みて欲しいです。外出を恐れて冷凍食品ばかりになっていま

せんか?ストレスを感じて甘味をやけ食い(^ ^;)していま

せんか?それらは全てうつ症状に繋がります。

2020年8月27日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

キャンペーンのお知らせ

前回は自粛明け(?)キャンペーンでしたが、今回はコロナ

収束キャンペーンです。終息、じゃないところがミソ。(^ ^)

 

現状、コロナよりも熱中症の方が恐ろしいので、ミネラル補給、

中でも最も不足しやすいマグネシウムスプレーを対象とします。

 

で、ついでにお知らせ。これまでマグネシウムスプレーとして

販売しておりましたが、スプレーヘッドが品薄となっており、

今後、ヘッドは別売り(¥70 税別)となります。そうすると

マグネシウムスプレーという名称も変なので、これからは

「超高濃度マグネシウム液」と変更致します。

 

・超高濃度マグネシウム液 10%OFF ¥2565(税別)

 

期間は8/31(月)〜9/26(土)で、期間中は何度

でも適応となります。是非ご利用ください!(^ ^)

2020年8月25日 火曜日

カテゴリー お知らせ

タグ