自身の不調は何から来るのか?誰しもが気になるところです。
そこで「病名」つまり「診断名」は何なのか?という問いに
繋がるのは自然の流れではあります。
至極自然なのですが、これが実は少し厄介で初診の段階では
診断名が確定しないこともあるのです。しかしながら保険
診療上、全ての行為に診断名が必要なので暫定的に診断を
つけて診療を開始、継続することになるのです。そのため
後から診断を変更することもしばしばです。
特に漢方診療や栄養療法では独自の診断系統があり、それに
則って指導や処方をするのですが、この場合の診断名は保険
病名には含まれないので、ここでも暫定的な診断名が必要
となります。瘀血とかビタミンB不足って診断名をつけても
保険は通らぬのデス。
診断名を知ることで安心される場合もあるので、良い場面
もあるのですが、病態理解が無視されると治療に繋がり
にくいものです。例えば、頭痛を主訴に来院された方に
「偏頭痛ですね。」と言って鎮痛剤を処方しても、なぜ
頭痛が出るかに言及できなければ根本解決にはならない
ですよね。
また診断名が分かると、ネットで検索してその情報を元に
独断で治療を始めてしまう場合もあります。それで良く
なれば問題はないですが、より病態を複雑にしてしまう
こともあります。あるいはネットの情報で怖くなって
余計な不安を感じてしまうことも。(^ ^;)
診断名は重要ではありますが、暫定的な側面もあること、
必ずしも病態を説明できないこと、を知っておく方が
精神衛生上、良いかも知れません。