これもまたよく耳にする割には正確に病態が伝わって
いない疾患ですね。脊柱管狭窄症とはその名の通り、
脊柱管という脊髄を通すトンネルが何らかの原因により
狭くなる病気です。
つまり脊柱管狭窄症の原因は一つではありません。
例えば椎間板ヘルニアは椎間板というクッション材が
背中の方に飛び出す現象ですが、このヘルニアにより
脊柱管が圧迫されれば、それは「椎間板ヘルニアに
よる脊柱管狭窄症」と表現されます。他にもすべり症
という病気がありますが、これは脊柱管を構成して
いる壁がずれて段差を生じ、脊柱管狭窄を起こします。
では脊柱管が狭窄するとどんな症状が出るのでしょう。
脊柱管の中は髄液という液体で満たされており、その
中を脊髄がぷかぷか浮いているのが正常です。狭窄が
あると、液体が流れづらくなり脊髄のゆとりが減るので
神経の圧迫症状=しびれや運動麻痺が起きます。狭窄が
起きている部位によって症状発現部位も異なりますが、
生理的に狭窄している場所ほど症状が出やすいので一定
の傾向は見られます。腰に狭窄があれば下肢に、頚に
狭窄があれば上肢に症状が出ますので、例えば腰痛だけ
では狭窄症はあまり想定されません。
狭窄症の診断はレントゲンだけでは不可能です。MRIで
初めて狭窄の部位や程度が判明します。腰痛や頚痛は
なく四肢の症状がメインで、ある体位で増強する、なんて
聞くと早い時期でのMRI検査を考えますね。MRIで狭窄
があり、その部位と症状が合致する場合は狭窄を広げる
手術が選択肢になります。
気を付けなければいけないのが、狭窄と症状が無関係の
場合があることです。MRIで明らかな狭窄があっても、
その部位と症状に関連がないこともしばしばあります。
当然これは手術の適応外ですし、狭窄以外に症状の原因
があると考えなければなりません。こお段階では整形外科
的に「異常なし」で済まされてしまうこともあるので、
ウチの場合は漢方薬、徒手療法や栄養療法などの代替療法
で勝負することになります。
いや何か漢字ばっかで退屈な記事ですな。(^ ^;)たま
にはこんなのもアリ、ってことで。