院長室

« 8月 2016 9月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 10月 »

検査は治療とセットで

栄養療法(オーソモレキュラー療法)は栄養素の過不足を

分析して各種疾患の治療を助けていく方法ですが、まだ

まだ知名度は低く、「高額なサプリメントを使用する治療」

というイメージが強いようです。

 

確かにその側面はあり、実際に保険適応外の検査を根拠と

して保険適応外のサプリメントを使用するわけですから、

なんかセレブ向け治療(笑)っぽくもあります。でも、

栄養療法の基本は食事の仕方なので、本当は、検査→

食事指導→不足部分をサプリで、というのがスジです。

最初から全てサプリメントで勝負するわけではありません。

 

そして栄養療法は「身体を作り変えていく」治療法でも

ありますので、当然時間がかかるものです。身体の細胞は

部位によって新陳代謝の速度が違いますから、すぐに影響が

見られる部分もあれば、数ヶ月してやっと何か違うかも?

くらいの部位もあるのです。

 

つまり栄養療法はお金と時間がかかるのが大きなウィーク

ポイントなわけですね。だから何でもかんでも栄養療法で

片付けようとするのは無理がありますし、患者さんへの

負担も無理を強いることがあり得ます。でもしかし、全ての

ベースになるのが栄養ですから、広く適応になる方が多い

のも事実。

 

そうすると、極力無駄を省きなおかつ症状に大きな波を

作らないように工夫するのが僕たちの腕の見せ所になる

でしょう。栄養療法領域では毛髪ミネラル検査や、全便検査、

有機酸検査、唾液検査や遺伝子検査などなど通常施行しない

検査方法が盛りだくさんですが、そんなの当然全部は無理。

僕もやってません。(^ ^;)

 

個人的には、検査結果によって新たな治療が提案される場合

のみ、つまりやってもやらなくても治療方針に影響しない

ものは、あまり積極的に検査する価値はないと思っています。

それより、一つでも良い食事法を自分の生活に落とし込む

方が遥かに価値があります。

2016年9月12日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ

5時から男 or 5時まで男

随分と昔ですが、仕事中はグッタリしているのに、終業と

共に元気になって飲みに行く、という「5時から男」なる

単語が流行しました。当時はそれはそれでムードメーカー

だったり、夜の商談が得意だったりとむしろ微笑ましく

扱われていたもんですが…

 

また逆に、夕方になるとパッタリ元気がなくなったり、

不調が出たりと言わば「5時まで男」とも言うべき方も

存在します。仕事はキッチリできるので、周囲には頼られ

るし責任感も強い傾向があります。こちらも重宝されます

よね。

 

さて、この正反対の現象、実は根は共通している可能性が

あります。それが「コルチゾールの分泌不全」です。最近は

副腎疲労という言葉も大分メジャーになってきたので、

ご存知の方もいると思いますが、コルチゾールは副腎から

分泌される重要なホルモンです。コルチゾールは血圧上昇

や血糖上昇作用があるので、元気や気力に大きく関与します。

 

しかもコルチゾールは早朝に高く、夕方〜夜に下がる性質が

あるので、分泌低下が起こるとまず夕方に症状が出ます。

そして分泌のタイミングが狂って夕方に高くなると、朝から

昼が不調になります。まあ5時で区切る必要はないんですが(笑)

このようにコルチゾールの問題だけで真逆の症状が出うるわけ

です。

 

コルチゾールの分泌不全の原因はかなり様々ですが、大きな

原因の一つとして腸内環境の悪化が挙げられます。ここでも腸

なんですねぇ。秋の味覚の季節になっていきますが、腸を

労ることを優先にしてくださいね。

2016年9月8日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

10月の診療日程更新

まさかの北海道台風直撃。しかも連発。第2の故郷の

惨状を見ると心が痛みます。知人へのメール、返信が来ない

けど、おーい、大丈夫かぁ?これもまた「想定外」という

ことになっちゃうんだろうけど、それが続けばそれはもう

想定しなければいけないことなので、やはり備えが重要

ですね。

 

10月はカレンダー通りの診察になります。今月から始まる

「ひのクリニック 健康教室」も以下のテーマで予定しています。

奮ってご参加ください。

9/23(金)「肩こりをやっつけろ」

10/28(金)「糖質制限の実際」

11/25(金)「肌荒れのヒミツ」

 

詳細はこちらから↓

https://taiyoblog.xsrv.jp/hino/4528.html

2016年9月6日 火曜日

カテゴリー お知らせ

タグ

「君の名は。」

どこでどう火が付いたかよく分からないんですが、超絶人気

で都市部では満席も出ている日本のアニメ映画「君の名は。」

です。僕も全くノーマークで、評価の高さから観に行った

クチなんで、新海誠監督の過去作品なんかは未見です。

 

うん、確かに凄かった。CMでは、遠く離れた場所で心を

通わせる少年と少女の物語とだけ紹介されていて、通常なら

「かっ!ぺっ!」的反応(お下品)でスルーしちゃうトコ

だったのですが、見逃さないで本当にヨカッタ。確かに

前半は青春映画まっしぐら(?)で若干こそばゆい思いを

するわけですが、これは実はミスリードで、下手をすると

SF過ぎて引かれてしまう本作のメインテーマを現実に繋ぎ

止める役目もしています。つまり脚本演出が極めて上手い。

 

中盤以降のミステリアスな展開とラストへのカタルシスは

美しい画と相まってゴジラ顔負けの迫力。人の絆を描きながら

も、感動お涙頂戴な方向性でなくどこか冷めた、俯瞰した

距離感で終始するのも好感度高しです。このあたりも

ヒューマンドラマを敢えて排除した今年の大傑作「シン・

ゴジラ」と何となくリンクするのですよ。両作ともネタバレ

厳禁でここまで来ているので、内容紹介はここまでで。

 

アニメと言えば声優さんが重要な役割を担いますが、旬な

俳優に無理くり声をアテさせる風潮がある中、今作の

ヒロインには上白石萌音さんが抜擢。大大傑作「おおかみ

こどもの雨と雪」にも出演しているそうで。もう一人の

主人公の少年には神木隆之介さん。お二人とも素晴らしい

演技でした。性別を超えるので(笑)なかなかの難度を

要求される役を見事にこなしています。

 

大号泣するような作品ではないですが、日本人の文化に

根ざした、美しい映画です。邦画の実写とアニメでこんなに

盛り上がった年があっただろうか。この夏はゴジラと本作

に感謝です。

2016年9月5日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ

高齢者の痛み

捻挫や骨折などの外傷以外で腰や膝の痛みを抱える

高齢者は多いです。高齢化社会にあって健康寿命は

むしろ短くなっている日本の現状を見ると、医療が

貢献しているとは言えないかも知れません。

 

痛みに限らないかも知れませんが、症状が治らないと

言下に「老化」と言われ「仕方ない」「付き合っていく

もの」的な説明で終わってしまうこともしばしば。

患者さん自らがそう説明して自身を納得させている場面

もあるくらいですから、かなり浸透している扱いのよう

に感じます。

 

もちろんこれは間違いではありませんが、「老化」に

よって何が変化してどう症状に関与しているかを説明でき

なければ単なる逃げ口上と取られても仕方ありません。

そしてそれに対しどう対処していくのが良いのか、を

提案できて初めて医療だと思います。その上で仕方がない

場合はあります。

 

敢えて「高齢者医療」という表現をすると、その本質は

身体の老化=退行変化であり、抗炎症剤が中心のいわゆる

整形外科的治療は適していないと判断すべきです。老化で

筋力が衰えるから痛い、ので筋トレっていうリハビリメニュー

も首をかしげざるを得ませんよね。

 

退行変化の全てを科学的に説明できるわけではありませんが、

東洋医学でも西洋医学でも論理的な思考を捨てないことが

重要だと思います。

2016年9月1日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ