各自治体での健康診断が始まりましたが、皆さん毎年実施していますか?
正確な統計は知りませんが、病気の早期発見となるツールであることは
間違いないので、できれば受けた方が良いと思います。
さて、健康診断を受けると結果によっては「要受診」と診断されて、さらに
精密な検査や専門医への受診を勧められたりします。ウチにも結果を持って
受診される方がしばしばみえるのですが、「要受診」の根拠として最も
多いのは「脂質異常」なんですね。具体的には中性脂肪とコレステロールの
値が高い、という事です。
何度か紹介してきましたが、コレステロールと中性脂肪は同じ脂質でも、
その性質は全く別物です。コレステロールは肝臓で合成されるものが
大部分なので食事とはあまり関係ありませんし、女性ホルモンの原料にも
なるので、女性ホルモンがなくなる閉経後は反応性に高値になります。
なので、全国民を年齢も性も考慮せず同じ基準値で振り分けること自体に
無理があるんですね。特に日本は世界でも基準値が厳しいので、閉経後の
女性なんて軒並み判定が「D」とかになっちゃうわけですよ。(^ ^;)
かたや、中性脂肪はもの凄く食事の影響を受けますので、コレステロール
ほど気楽に考えてはいけません。しかし、検査で出る中性脂肪値は食事の
油と体内で合成された油の和なので、高値の場合は果たしてどちらが上昇
しているのかが重要になります。食事中の油は原則12時間くらいで消える
ので、空腹で検査するのはこのためです。空腹状態で中性脂肪が高ければ
それは体内で合成される量が増えていると言うことです。そして体内で合成
される中性脂肪の原料は糖分ですから、脂肪制限ではなく糖質制限が必要、
と言うことになりますね。
先に書いたように、健康診断事態は早期発見の大事なツールですから、是非
やった方が良いですが、その結果については議論の余地がアリアリなので、
もしも判定「D」でも気落ちすることはないですし、逆に「A」だとしても
異常がないという保証はないので、一度見せて頂きたいものです。