奇才ウェス・アンダーソン監督の最新作。でも今ひとつマイナーなので
あまり話題にはなっていませんね。(^ ^;)作風はティム・バートン監督
に似ていて作品のラインナップも意外と共通項があったり。毒気はよっぽど
ティム・バートン監督作品の方が多いですが。
作品はマトリョーシカの様に入れ子構造になっており、現代に残る「グランド・
ブタペスト・ホテル」という著作の作者が執筆当時に出会ったモデルの人物が
過ごした若き日を描く、という何かもう聞くだけで観たくなくなりそうな
内容。(笑)それでも各時代に合わせて画面比を変えたり、色調を変えたりと
工夫しているので思ったほど妨げになりません。
監督自身がオタクで、あえて分かりにくい構造になっている上、映像の情報量が
ハンパないので万人向けとは言い難いですが、毒を含みながらもコミカルな
タッチで描く作風は個人的には大好きです。主演のレイフ・ファインズさんは
初めて観ましたがかなりハマってました。他にもジュード・ロウ、エイドリアン・
ブロディ、エドワード・ノートン、ビル・マーレイなど錚々たる顔ぶれ。大好き
なウィレム・デフォーさんが大活躍で、それだけでも満足。(^ ^)
テーマは反戦で、堅苦しいイメージがありますがそんな知識が無くても、各俳優
さんのコミカルな演技合戦を観るだけで楽しいです。日本でのキャッチコピーは
ミステリーを臭わせていますが、そうでもしないと興味を持ってもらえないという
苦肉の策ですかね。(^ ^;)
そしてこっそりニコラス・ケイジ主演の「トカレフ」も観ましたが、こちらは
なんとも香ばしいと言うか、名優なのに「?」な作品に好んで出る彼らしい
作品でした。いい加減ベジータ頭を何とかして欲しい。