湊かなえさん原作の同名小説の映画化です。クラシカルな題名とは裏腹に
扱っているテーマはメディアやネットの無責任さや残酷さで、かなり現代を
風刺した内容になっています。
主人公は殺人の容疑をかけられた地味な女性。ネットで顔や名前を晒された
ことにより報道も加速し、窮地に追い込まれます。この役を演じた井上真央さん
はとても上手いんだけど、顔の造りが良すぎるのか少し違和感が。これは他の
主要キャストにも言え、ちょいとキャスティングには疑問を感じました。
特に生瀬さんは違うやろ…(^ ^;)
そして殺人事件とか言って、誰かが事件を解決するために奔走する、という
構成ではありません。SNS上につぶやかれる情報、つまり又聞きの言葉が
あふれます。事件のトリックというか真相もそんなに斬新でもないのですが、
でもこの映画はとてもスリリングです。上手に伏線も仕込まれていて、最後まで
飽きさせません。
お、監督さん誰よ?!と思ったら中村義洋さんでした。彼は伊坂幸太郎原作の
ミステリーも何本も映画化しており、これまた全部面白いんですよ。ははーん、
なるほど、さすだね。原作は未読ですが、多分映画ならではの面白さがあると
思います。って言うか、ミステリー映画はちょいとした情報もネタバレになるから
レビューが難しいっすわ。今さらですが。
それでも社会的な側面も秀逸な映画ですので、一見の価値アリです。SNSでの
中傷やおバカ投稿への抑止に少しでも効果があるといいなと思います。お、何か
マジメ。影響されやすいから。(笑)