テレビCMで「ハリウッドよ、これも映画だ!」なんて宣伝していた
時点でかなりハラハラしていたんですが(笑)、まあなんとか観れる
作品でした。
とにかく前作がひどすぎたので、せめて最終回くらいはきれいに、潔く(?)
終わってくれと願っていましたが、着地は成功と見ていいでしょう。
劇場版の回を重ねる毎にいたずらにスケールを大きくしてしまった感のある
このシリーズですが、当初からの「個人vs組織」というテーマに絞ったのが
良かったと思います。加えて官僚組織の隠蔽体質にも焦点を当てたところは
皮肉が効いててよかったです。青島刑事も室井管理官もすみれさんもはっきり
言ってもう見飽きてるので(^ ^;)新鮮さはこれっぽっちもないのですが、
それでも過去の映像をふんだんに使ったオープニングはトリハダもんです。
エンターテインメントとしてなら十分に楽しめる作品です。
ただ、テーマの掘り下げはどうだったかと言うと、これは物足りない。劇場版
第2作で「リーダーはおらず個人の判断で動く組織」と対決し典型的な
トップダウン組織である警察に波紋を広げたのですが、そこからは何も進歩
していない、というか気持ちよくスルーしてしまっているのが残念。結局
また私怨をからめてテーマをナアナアにしてしまう愚を犯しているのです。
小栗旬はいい役者だし、内田有紀はかわいいし(ドサクサ ^ ^)、俳優陣は
頑張っているだけに、この脚本はチトもったいない。最後なんだしもう少し
青島刑事にハジけさせて欲しかったなぁ。事件のオチでは別な人がハジけてた
けど。
何年かしたら、あっさりスピンオフ作品とかで復活しそうですが、キャラ的にも
テーマ的にも限界感がありました。けれどもコミカルかつシリアスで疾走感の
あるこの作品は、邦画界に多大な影響を与えたことは間違いありません。
あのテーマ曲が流れると無条件でワクワクします。もう条件反射。(笑)
今作、細部は驚くほど雑ですが、最後の青島と室井のやりとりは感慨深いもんが
あります。なんせ15年ですもんね。
あ、ちなみに僕は織田裕二ファンです。念のため。
あと、これだけは注意。CMではあたかも青島が拳銃で撃たれたような描写が
ありますが、全然違います。ああいうズルい宣伝法はカンベンして欲しいです。