院長室

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再現性

「再現性」という言葉をご存知でしょうか?日常生活では

あまり登場しない言葉ですよね。

これは「ある2つの事象の関係性の深さ」で、Aという行為を

したらBという結果がでる確率、みたいな意味です。

再現性が100%であればそれは「法則」と呼ばれ、0%で

あれば「デマ」あるいは「単なるウワサ」(笑)となります。


例えば、特殊な環境下でなければ、空中で物体を放せば必ず

落下します。これは100%なので「法則」です。有名な

万有引力の法則です。

また吉本新喜劇でチャーリー・浜が登場すればかなりの確率で

「ごめんくさい。」と言いますが、100%とは言えないので、

これは法則にはなりません。


いや、何が言いたいかというと、医療というのは千差万別な人間を

扱う物ですので、再現性100%ってものはなかなかないのです。

痛み止めの注射をしたから必ず痛みが止まるわけでもないし、

癌を必ず発見できる検査があるわけでもないのです。

特に僕が診療に取り入れている治療法は、漢方にしろ、AKA−博田法

にしろ遠絡療法にしろ、再現性が低い治療と言えます。漢方薬なんて

まだ分かっていない部分の方が多いですし、AKA−博田法や遠絡療法

に至っては、僕の力の入れ方ひとつで結果は左右されてしまいます。


でも、だから医療に王道はないのだよ、と言うのは少し違うかな、と

思っています。やはり再現性の高い検査や治療を追求するのをやめては

いけないと思います。「法則」ほど安心信頼できるものはないからです。

そんな中にあって、今一番興味があるのは分子生物学です。これは

DNAの構造や、細胞の代謝など、ミクロの世界の学問ですが、これらは

物理であり化学であるので、「法則」です。分子生物学に立脚した治療体系

があればかなり再現性が高くなるのではないかと睨んでいるわけです。

特にいま広まりつつある分子栄養学なんてのは、この分子生物学を基盤に

した学問です。とても未来を感じます。


…って、そういや分子生物学って大学の授業であったなぁ。

まったく1秒たりとも覚えてないなぁ。

先生ゴメンなぁ。(^×^)

2011年8月22日 月曜日

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