院長室

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「シン・ウルトラマン」

久々の映画レビューです。前回の鑑賞はいつだったかなーと

記録を見てみたら(つけてるんかい)、なんとデータの大半が

消失しているではないですか!シン・mac への移行の際か…。

冗談言ってますが、内心泣いてます。(T T)

 

さて、そんな「シン・ウルトラマン」ですが、とにかくウキ

ウキで全く前情報を入れず鑑賞しましたが、「シン・ゴジラ」を

超えるほどではなく。タイトルから序盤はオマージュてんこ盛り

で、チキン肌スタンダップかつ前のめり状態での鑑賞でしたが、

中盤以降に失速。序盤の勢いそのままで行けば傑作間違いなし

だったんですけどねぇ。

 

原因としては詰め込みすぎて色々と雑になってしまった点。

原作の主要5話分を120分未満でまとめたのは凄いですが、

ちょっと欲張ったかな、という感じでした。そのシーンいる?

という場面もありましたし、逆に説明不足の場面もチラホラ。

政治ネタいじりはかなり弱めで、そこはゴジラの真似せんでも

いいですやん、と。CGも最終盤に近づくにつれレベルが下がる

といういただけなさ。もっとウルトラマンのプロレスが観たい

んやーという不完全燃焼さも伴いました。

 

しかしながら随所に散らばるオマージュは製作サイドの熱気を

感じられますし、直撃世代は泣けてくることでしょう。僕は

再放送で観た世代なのですが、それでも早起きして観たあの頃の

興奮が蘇りました。鑑賞後にYouTube 動画を見るとさらに面白い

でっせ。最初はここがよいかなー。

 

「シン・ゴジラ」があまりに傑作だったため少しハードルが

上がってしまった感はありますが、ウルトラマン好きは必見です。

来年は「シン・仮面ライダー」ですね。楽しみです。(^ ^)

2022年5月17日 火曜日

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「騙し絵の牙」/「砕け散るところ〜」

いや、タイトルが長いので一部省略。すみません。洋ちゃん

映画観ないのかい?と思われている頃でしょうから、誤解

されないためにしっかりレビューしときましょう。

 

「騙し絵の牙」はそもそも大泉洋氏を主人公に想定して書か

れた小説らしく、映画化の際の主演も大泉洋氏です。もしも

これで違う俳優が主人公だったら俺が騙されてたわ!とウマい

ことおっしゃってましたが(^ ^)、まあさすがの洋ちゃんで

芝居は上手いです。

 

旧態依然とした出版業界に新風を吹き込もうと色々と画策

する主人公と、それに翻弄されながらも自分の世界を確立

してゆく若い部下のお話。この部下を松岡茉優さんが好演

していて、洋ちゃんを食っちゃう勢いです。いや、実際には

彼女が主人公ですな。原作未読ですが「騙す」要素は実は

大して多くなくて、むしろ智恵を絞って出た妙案を試す

お仕事ドラマです。

 

これね、映画のCMが大変罪深いと思うんです。邦画しか

予定が無いもんだからCMの煽りが極端なんですわ。随分

原作とは違った部分もあるそうですが、あのCMじゃあ過分

にハードル上がりすぎて却ってガッカリさせるでしょうね。

脚本もちょっと古臭いかなー。トリッキーな映画かと期待

したら意外とまともで着地点もフツー、という評価です。

凄い俳優さん揃いの割りにはね、って感じ。

 

そして意外にもアタリだったのが「砕け散るところを見せて

あげる」です。正義感の強い高校3年生の男子がいじめに

遭っている1年生の女子を助けようとするうちに…という

お話。主人公を中川大志さん、ヒロインを石井杏奈さんが

好演しています。原作は竹宮ゆゆこさんの小説です。

 

この設定だけ見たら、ああ、まあ高校生の恋愛モノね、と

思い込んできっと観なかったことでしょう。それが実はね、

そうでもないんだぜ、という批評を見てしまったので勇んで

鑑賞したわけですよ。そしたら大当たり。ありがたや。CM

が邪魔くさいと言っておきながら、事前情報が皆無なら絶対

にこの作品とは出会わなかったわけで、難しいところです。

 

ツッコミ所は結構あるものの、俳優さん達の演技や、何より

演出が上手で引き込まれます。監督は俳優もされているSABU

さんですが、実に良い。結構色々と監督なさってるようで

気になります。ちょっと気になった方はなるべく前情報を

これだけにして観てみてください。

 

小説や漫画の映画化!を売りにする時点で僕は少し白け

ちゃいますが、まあそれでも工夫があれば十分面白くなる

のは確かです。それで原作が売れれば相乗効果ですしね。

個人的にはもっとチャレンジングな作品が観たいですが、

原資の乏しい日本ではまあこのスタイルが標準になるの

でしょうね。

2021年4月15日 木曜日

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「ヤクザと家族」/「すばらしき世界」

相変わらず時短営業中の映画館ですが、意外とお客さんは

戻ってきているようで何よりでした。そして相変わらず邦画

ばかりですが、これも意外とアタリが多いので素敵。(^ ^)

 

まずは藤井道人監督の「ヤクザと家族」。ヤクザの世界しか

知らない主人公にとっての家族とは?というテーマなんですが、

抗争や暴力表現に目を奪われて若干ブレる感じ。古い硬派な

“極道” から暴対法下で生きづらい現代のヤクザまで色々と

描かれていて飽きさせない演出ですが、個人的にはもっと

“家族” に振っても良かったかなと思う。

 

主人公を演じる綾野剛さんは10代から30代までのおよそ

20年間を見事に演じており、これは一見の価値アリ。また

本作では1999年、2005年、2019年と3つの時代

が描かれるのですが、時代ごとにスクリーンの枠を意図的に

変える演出も面白いです。マニアック過ぎるけど。(^ ^;)

 

組の “オヤジ” を演じる舘ひろしがヤクザっぽくないとか、

ヒロインに惹かれる場面が安直だとか、まあ細かい不満は

あるものの、これが監督の完全オリジナル作であることは

高評価です。今後が楽しみです。

 

対して本当に僕と同年代?!と思ってしまうほどデビュー作

からずっと人間の負の側面を深くシニカルに描き続けている

老獪な(?)西川美和さんの新作「すばらしき世界」。偶然

にも本作も人生の大半を刑務所で暮らしてきた初老ヤクザの

出所後を描いた作品です。

 

まっとうに生きようとするも、何もかも思うように行かず、

暴力で解決する衝動に駆られながらも、冷たい世間と温かい

人々に影響を受けていく物語…と思っちゃあ、いけません。

なんせ西川監督ですからね。

 

これまで全作オリジナル脚本で勝負してきた西川監督が、

今回は佐木隆三さんの「身分帳」という小説を原案にして

います。とうことは「すばらしき世界」というタイトルは

西川監督によるものだということ。まさにこれがキモ。

最後の最後で背筋が寒くなりました。さすがだわ。

 

主人公を演じた役所広司さんも素晴らしく、また周りの

キャストも皆良かった。特に主人公と対比的に描かれる

仲野太賀さんが上手。ちなみに北村有起哉さんが上記

「ヤクザと家族」ではバリバリ極道のアニキを演じ、今作

では反社を蔑視する役所員を演じているのが面白い。

この役者さんもカメレオンだよねぇ。

 

両作ともにヤクザの悲哀を描くものなので、その時点で

ハードルが上がる人もいるとは思いますが、同じような題材

が監督でこうも違う作品になるか、という対比は面白いと

思いますよ。

2021年2月18日 木曜日

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「テネット」/「ミッドナイト・スワン」

映画レビューを心待ちにしていた皆様、こんにちは。そうでない人も

こんにちは。いや、コロナ禍は確実に映画業界に浸食していて、もう

これを題材に映画作っちゃえばいいんじゃね?!と思ったりもします

が数少ない新作映画の中、とんでもない作品が生まれました。既に

公開から随分経過しちゃいましたが、オススメせずにはいられない!

 

まずは「TNENET/テネット」です。みんな大好きクリストファー・

ノーラン監督の最新作です。公開後、難解すぎて予習しないと意味

不明、とか展開が速すぎて付いて行けない、などのネガ情報があり

どうしたもんかね、と悩んだ末、結局何も情報を入れず素のままで

鑑賞。いや、全然OK。って言うか、大傑作じゃねーか。もちろん、

エントロピーとか陽電子とかの意味は分かんないし、ストーリー

だって把握できてないがな!(ええっ)

 

それでこの満足感はすごい。登場人物に「細かいことは気にすんな」

的セリフを言わせたり、敢えて主人公の名前を秘しているあたり、

この映画は映像の迫力と、パズル的思考、そしてスパイスの効いた

不快感(笑)を味わう体験型作品なのではないかと思うのですよ。

登場人物はほとんど説明的なセリフを言わないので不親切と言われ

ますが、それでこそのスピード感だと思うし、コアな人は絶対に

考察をしたくなる要素満載で鑑賞後までめっちゃ長い尾を引く

贅沢さです。多分そこまで計算してますよ、きっと。

 

一つだけ知っておくならば、今作はタイムリープものではなく、

「時間の逆行」なんです。つまり過去に戻るのではなく逆回しの

世界に入り込むことができる、ということ。それをまたCGでなく

アナログで撮影してるのがまたとんでもない。ノーラン無双ですわ。

個人的にはとても親切で万人向け作品だと思いますが、いかがで

しょう?

 

そしてまた恐ろしく完成度の高い邦画「ミッドナイト・スワン」。

草薙剛さんがLGBT役を演じていることが話題になりましたが、

本作はそれだけでなく、ネグレクトや田舎の閉鎖社会、親の無関心

など扱いづらいテーマばかりてんこ盛りです。それだけだと単に

暗く重い作品になりがちですが、真逆の方向へ導いてくれる驚く

べき映画です。よくまあ120分にこれだけ詰め込めたな。

 

監督は内田英治さん。僕は今作が初めてでしたが企画から脚本まで

全て手がけたんだとか。天才か。主演の草薙さんも、ヒロインの

服部樹咲さんも当然スゲーですが監督が真にスゲー。(語彙力 – -;)

夜の店で働く主人公とその親戚で育児放棄された女子中学生が一緒に

暮らすことになり、居場所のない2人が心を通わせていく、ってな

ストーリーですが繊細なテーマを扱うゆえか脚本が練りに練られて

おり、しっかり娯楽作品として仕上がっています。

 

本作も一つだけ。バレエが一つの鍵になっていますが、白鳥の湖

という童話のあらすじだけでも知っておくとさらに楽しめると

思います。テネットに負けず、実は色々と考察したくなる作品です。

また表情や仕草が雄弁で、素直に涙できる素晴らしい作品です。

“思い出し泣き” できちゃうよ。

 

タイプは違えど、両作とも1秒たりとも目が離せない衝撃作です。

上映館数は随分減っちゃいましたが、是非とも劇場で鑑賞くだ

さいませ。Go To シネマとかやってくんねーかな。

2020年10月29日 木曜日

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「ANNA」/「ランボー ラストブラッド」

映画レビューファンの皆様、お待っとさんでした。やっと映画館

も解禁され、公開延期になっていた作品が見られるようになって

きました。早速いきましょう。

 

まずは久々リュック・ベッソン監督のアクション映画「ANNA」

です。美貌の女性暗殺者がキレキレの活躍を見せるという、もう

一つのジャンルにしてもいいんじゃね?と思えるくらい、つまり

勝ち目の薄い戦いを挑んできたわけですが、まあそこそこ良かった。

このジャンル(?)は徹底的にリアルで攻めるか、異能を咬ませて

ぶっ飛ばせるか、で分かれるところですが、今作は前者。前者の

場合、主演女優のアクションに説得力があるかがキモになるん

ですが、その辺が意外と良かったのですよ。

 

その大役を務めたのがサッシャ・ルスさん。モデル出身だけあって

スタイルは文句ナシ、長い手足を活かして派手にアクションを

こなすし、これまた意外に演技もお上手。この女優さんを堪能

するためだけに観てもよいレベルです。反面、男性陣の演出が

ポンコツでキリアン・マーフィーさんら名優の無駄遣いに感じる。

まあそれこそ近年のリュック・ベッソンテイストなんですが。

 

欲張ってドンデン返し風味を加味しているところが評価を分ける

かも知れません。純粋にアクションとリュック・ベッソン(笑)

を楽しみたい人にはこのひとひねりは余分かも。ひねりを排除

したとしても「レオン」や「ニキータ」に並ぶ作品ではないです

けど。自粛明けの助走にはいいんでないかな。(笑)

 

そして色んな意味で不安だった「ランボー ラスト・ブラッド」。

ランボーの第5作目です。何が不安だったかというと既に4作目

で完結した、風になっていたから。しかもそれなりに納得する着地

だったので、まさか続編はないだろうと思っていたんですね。しかも

副題の「ラスト・ブラッド」は第1作の「ファースト・ブラッド」に

対応するもので、完全に今回での完結を示唆してるやん!4作目

はまさかの無視なの?!ってなったわけでやす。

 

で、期待と不安が入り交じる中で鑑賞しましたが、結論から言うと

ジェイソン・ステイサム案件でした。え?分かりにくい?(^ ^;)

これ、ランボーでやる意味ある?!ってこと。ステイサム氏あたり

がやるヤツやん、と。あ、僕はステイサム好きです。

 

ランボー作品の軸は戦争では英雄視されたのに、戦後は一転

邪魔者扱いされるという悲哀と孤独です。まあ早々に第2作から

そのテイストは薄まったわけですが(笑)、今回完結編なのに

そのテーマがほぼない。折角見つけた心安らかな生活をブチ

壊されてサツガイしまくる異常にタフな爺さん、というスジ。

 

申し訳程度に戦争のトラウマを匂わせたり、グリーンベレーの

テクを駆使して数多のトラップを仕掛けたり、というのはまあ

ランボーだんだけど、それ以外があまりに雑すぎて途中でシラける

可能性があります。犯罪者の巣窟で銃に囲まれながら「娘を返せ!」

って、そりゃ無理っしょ。メキシコ国境を車でぶち破るなんて

単なる犯罪っしょ。…ってツッコミが入りまくります。まあ

ランボー好き以外が観る可能性は低いと思いますが、ランボー好き

だからこそ首を捻る、という映画でもあります。自粛明けの助走…

にもツライかな。(^ ^;)

 

どちらもオールドタイプなアクション映画で、何かぶちぶち文句

言ってますが、映画館で観られたのは素直に良かったです。残念

ながら新作の撮影が滞っているので、しばらくは新作上映数が

少ないままでしょうけど、それでもつい興奮してこういう駄文を

書いちゃうオジサンが居るわけで、業界挙げてこの苦難を乗り

切って欲しいです。(^ ^)

2020年7月6日 月曜日

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