新型コロナウィルス感染症の怖さを語る時に、「ワクチンも
薬もないから!」という理由をしばしば耳にします。ワクチン
は接種の見通しが立ち始めましたが、薬となるとまだまだ
これからです。
すると、ハイリスクな基礎疾患のある高齢者を守るために若者
は外出するな、という妙なロジックで対策が打たれたりして
違和感を感じずにはいられませんが、まあ治療薬が無い不安は
理解できます。
そこで、ビタミンCがいいらしいぜ、なんていう情報が流れ
たりすると、こぞってビタミンCを摂り始めるわけですが、
それは正しいのでしょうか?詳細は今月の健康教室でも取り
上げますが、結論から言うと間違ってはいません。ビタミンC
が白血球の働きに関与するからです。
しかしながらビタミンCは白血球以外でも消費されますし、
白血球が働くのはウィルスが身体に侵入した後のことです。
つまり予防にはそれほど向いていません。またどれくらい
の量を使用すれば良いのかも、かなり個人差があります。
白血球以外にも効果を有することを考えれば、摂らないより
摂った方が良いのは間違いないですが、感染症に絞って
考えるとそれだけでは物足りないんですね。
手洗いやマスクは物理的な感染防御策ですが、人体での
生理的防御策の主たる部位は粘膜です。予防という観点では、
粘膜機能を維持する栄養素がより優先度が高いと思います。
例えばビタミンDとかね。
ちなみにビタミンCを多く含む食材は、レモン、ブロッコリー、
パプリカで市販のタブレットやジュースはあまり効果がない
と思った方がいいです。人体で最も多くビタミンCを消費
するのは副腎なので、副腎疲労気味の方は常に需要が高い
です。こういう場合はビタミンC常用がベターでしょう。