院長室

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漢方薬の受難

週刊誌に「ツムラ内部資料に驚愕の事実!」みたいな記事

が掲載されたのをご存知でしょうか?実際の記事を読んで

みましたが、まあ結構恣意的で挙げ足取り感が否めません。

 

記事では幹部会議で「自分の家族に飲ませることができる

生薬を供給する」という目標が掲げられており、これを

「では現在は飲ませられないのか?」「そんな薬を売って

いるのか?」「それは消費者や医療従事者への裏切りでは?」

という論法で成り立っています。

 

これを「驚愕の事実」としてセンセーショナルに書き連ねて

いますが、そもそも上記の文言は中国の生薬栽培現場で働く

人へ向けてのスローガンで、国内向けの発言ではないようです。

記事でもそのことには触れていますが、「言い訳」で片付け

られています。どうしても悪者にしたいらしい。(^ ^;)

 

中国産の生薬を使用するのは安い人件費のためではなく、そこ

でしか生産ができないからで、そのためには現地の人を教育

したり管理したりしなければならず、これがどうしてもまだ

100%ではないようなんですね。そのために現地の人にも

響くスローガンを作製した、ということが事実のようです。

 

現状我々が使用している漢方薬は中国内でも日本でも何度か

成分調査をされたものですので、有害なものを含むという

ことではありません。あくまで、栽培製造段階での有害物除去

を徹底させよう、ということです。

 

漢方内科を標榜する僕が書くと擁護論に聞こえるかも知れ

ませんが、記事は患者さんの有益な情報であるべきで、単に

陥れや面白味で書かれた内容が飛び火して他の漢方薬メーカー

や、漢方を使用する患者さんに迷惑が及んでは本末転倒では

ないかと思います。

2016年12月15日 木曜日

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