酵素って聞くとなんやら良さげに聞こえてしまいませんか?
酵素配合とか酵素風呂とか。まさにマジカルワード「酵素」
ですが、酵素は化学反応を触媒する物の総称なので、酵素
なら何でも良いわけではありません。
僕たちヒトにとっては食材を分解して吸収しやすい状態に
する「消化酵素」と体内で必要なものを合成したりする
「代謝酵素」に大別されます。身近なところでは血液検査の
「肝機能」の欄に出てくる「AST(GOT)」は代謝酵素
の代表選手です。
消化も代謝も生きていく上で必須な働きなので、酵素が
重要なのは言うまでもありませんが、ただ「酵素」と謳う
だけでその正体を明かさねば、効果も不明です。例えば
内服するサプリメントに「代謝酵素」を入れても体内には
入りません。
また酵素はタンパク質でできているので、タンパク合成能力
が落ちている人や、糖質過剰で糖化傾向にある人は当然
酵素の機能が落ちます。さらに酵素が力を発揮するためには
「補酵素」が必要で、各酵素によってそれは違います。
先ほどの「AST」であれば、補酵素はビタミンB6なので
これの不足があればASTの効果は落ちるわけですね。
消化酵素は消化管の中、つまり体外で働く酵素なので内服する
意味はあります。実際に気の利いた腸内環境改善サプリメント
には多種類の消化酵素が配合されていたりします。酵素は
その内容と目的をはっきりさせて使用すべきですね。