自身も含めて治療に糖質制限を取り入れて数年経ち
ますが、意外と結構なスピードで一般にも認知されて
います。しかもブームで終わらず治療法としての議論
がされているので、これは根付くと思っています。
こういう傾向があるということは、当然ニーズがある
ということですが、生活習慣病の治療のため、という
よりはまだダイエット目的でのニーズの方が高い
のかな、とも感じています。
確かに体重は減ります。食べる順番を変えるだけでも
2kgくらいすぐに落ちることもあるので、驚きまた
感動して続けられるというのもあります。ここで気を
付けるべきは、体重に固執してはいけない、という
ことです。
痩せるのは嬉しいのですが、「何が」減っての体重減少
なのかを常に考えるべきです。糖質制限しながらタンパク
質まで摂取が減ってしまうと、自前の筋肉や血液を切り
崩してタンパク代謝を維持しようとするため、見かけは
体重が減っていてもそれは筋肉量の減少だった、という
ことがしばしばあります。体重しか気にしていないと、
ここに気付かず却って冷えや倦怠感などの不調を招くし、
これはまたリバウンドしやすい身体を作ることになって
しまいます。
なので、糖質制限はタンパク摂取とセットでなければいけ
ないし、タンパク摂取を効率よく行うためにはピロリ菌
を始めとした腸内環境の整備が必須です。またどんな程度
で糖質制限を始めるか、も重要です。糖質依存度が高い
人ほど緩やかな制限で始めた方が良いでしょう。
糖質制限に限ったことではないですが、食事療法は包括的
かつ段階的に行うことがとても大事です。