遅延型アレルギー検査についても問い合わせが増えております。これも
テレビ番組で紹介されたせいみたいです。テレビの影響ってすげーなー。
僕がいまだに姪っ子に「アイーン」とか教えるのもテレビのせいだもんね。
たまにはカトちゃんペも入れねば。(^ ^)
それはさておき。遅延型アレルギーはIgGというタイプの抗体によるものです。
花粉症などで調べているのはIgEという抗体で、これは即時型アレルギーと
呼ばれます。その名の通り、抗原に接すると即座に反応が起きます。一方、
遅延型アレルギーは原因となる抗原に接してから数日以上経って症状が出ます。
しかも始末の悪いことに全身の器官全てに症状が出うるという厄介なものです。
遅延型アレルギーの抗原となるのは殆どが食物なので、この検査の本質は
腸の状態を類推できることなんですね。通常、食物は免疫寛容と言って、
異物とは言え我々の体内で免疫反応は起きません。この免疫寛容という
システムに不調があるのでアレルギーになってしまうのですが、その原因の
多くは腸管の炎症です。腸管は空港の税関みたいなもので、良い奴は通すけど
悪い奴は通さないようにできています。腸の炎症はこの税関が狂ってしまう
状態と言え、悪い奴まで通し始めてしまうんですね。そして体内で警察が
大騒ぎする=アレルギーというわけです。
なので遅延型アレルギー検査で重要視しているのは、陽性反応を示す食材の
数です。多ければ多いほど、腸管の炎症も激しいのではないかと考えます。
現在、この検査はアメリカに検体を発送するしか方法がないので、結果が
出るまで時間がかかることと費用が高いことがネックです。しかしながら、
腸管の炎症は様々な疾患の原因となり得るので治療に難渋する病態の原因を
知るためには有用だと思います。