岡村隆史が主人公の吹き替えをやるとかやらないとか(やってんだけど)が話題で
どうも映画の内容そのものはあまりしっかり取り上げられていない感のある映画
ですが、いやこれ、傑作ですよ。
マジメだけど空想癖があってあまりパッとしない雑誌制作者が、廃刊号の表紙と
なる写真のネガを探すうち自分の人生そのものを探すことになるというお話。実は
60年以上前に製作された映画のリメイクらしく、その原作となるともっと古い
らしいです。そのため、さすがにテーマそのものは使い古された感がありますが、
演出と俳優陣の演技で、見事な現代劇となっています。
監督・主演はベン・スティラーさん。どうもコメディアンなイメージがありましたが
実にカッコよい。空想だけは逞しかった男が終盤にむけてリアルに逞しくなって行く
過程を見事に演じています。ネガを探すくだりはミステリィタッチだし、海や火山(!)
などの自然の描き方も素敵。ご都合主義な部分も多いですが、単純なストーリーに
贅沢な味付けをしており監督としてもかなり評価を得られる作品になりそうです。
そして、そのネガを送りつけてきた孤高のカメラマンをショーン・ペンが異常にカッコ
よく演じています。なにこの渋さ。なにこの存在感。もったいぶる演出のせいかも
知れないですが、彼を見るだけでも価値があります。(^ ^)
岡村隆史が嫌いなわけではないですが(むしろ大好き 笑)、この映画はやかましい
吹き替えでなく、台詞のないシーンも含めて素で楽しみたい作品です。ちなみに
原題よりも邦題の方が内容にマッチしている希有な映画でもあります。