人類の起源を追って地球外生命体と遭遇したり、超人達が
力を合わせて侵略者から地球を守るといった映画とは真逆の
超スモールなスケールの映画ですが、なかなかどうして
デキはかなりのものでした。
神木隆之介君が出演しているせいか、高校が舞台であるせいか、
若い女の子が多く、ちびっ子に囲まれて観た「のび太と鉄人兵団」
以来の居心地の悪さを感じながらの鑑賞でしたが(笑)、まあ
内容はタイトル以上のことは起こりません。成績優秀、スポーツ
万能、カリスマ的存在の桐島君が突然姿を見せなくなり、音信
不通になる数日間の様子を描いただけです。
でも高校という、小さいながらも数々の「掟」がある社会では
このカリスマの損失は様々な影響を及ぼすわけです。一種の階級
制度みたいなものを赤裸々に表現しています。鑑賞したら誰しも
自分の高校時代に思いをはせ、懐かしさやら恥ずかしやらの何とも
言えない感覚を味わうこと請け合いです。説明を省き、同じ場面を
違う登場人物からの視点で何度も描く手法で、全く飽きさせませんし
非常に無駄のないセンスフルな作品です。俳優陣もみんな上手かった。
将来の邦画界を背負う人達なんでしょうな。
つまるところ、鑑賞に来ていた少女達には全く不向きな、オトナ
向けの映画です。上映終了後、「はあ?よくわかんなーい!」とか
言ってた女の子たちに「ワケわかんねーだろ!(by ゴー☆ジャス)」
と(心の中で)つぶやきニヤリとして帰ってきましたトサ。