院長室

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創傷処置と熱傷処置

我々が保険でキズを処置する場合には「創傷処置」、

ヤケドを処置する場合には「熱傷処置」という項目を

算定します。そしてそれぞれ創の面積によってランク

分けされています。


これがまた不思議でして、熱傷処置は創傷処置に比べて

同じ面積でも3倍の点数なんです。要するに高いんです。

恐らくこのルールが設定された時には、「熱傷の処置は

大変で普通のキズとは訳が違うぜ!」という事情があった

んじゃないかと思います。実際、広範囲のすりむきキズで

死亡することはありませんが、熱傷ではそれがありえます。

そんな背景が勘案された結果、こうなったのではないかと

推察します。


けれども湿潤療法をやっていると、いかに過去の熱傷処置が

とんちんかんだったかが分かりますし、処置そのものも拍子

抜けするくらい大変じゃない。(^ ^;)

3倍の点数をもらうのに気が引けるほどです。

夏井先生の症例を見てみると、広範囲3度熱傷でも決して

死に至るような状態ではないことが分かります。


もしもこれから湿潤療法が熱傷の標準治療になったら、この

「熱傷処置」というのも随分変わるんじゃないかな、と思います。

安くなるのは経営的には困りますけど(笑)、無駄な点数は

削るべきです。


そうそう、経営的なことと言えば、この「熱傷処置」は初診から

2ヶ月以内しか算定できないんですよ。なので、他の病院で消毒、

ガーゼで処置されて一向に治らなかった患者さんが湿潤療法を求めて

やって来た場合、2ヶ月を経過していると自動的に「創傷処置」に

なっちゃうんですね。

もし、他の病院から逃げてくる場合は是非2ヶ月以内にしてください。(笑)

2011年8月11日 木曜日

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