院長室

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「ヒアアフター」

予告通り(?)クリント・イーストウッド監督の

「ヒア アフター」を観てきました。

 

正直、これまでのイーストウッド作品とは

あまり相性が良くなかったのですが、本作を

観て、彼の映画に対する姿勢がやっと分かった

ような気がしました。

 

彼は役者時代は決して死なない無敵のヒーローを演じ、

役者最後の作品で暴力に対する暴力を否定して死にました。

そして齢80歳にして自らにも迫っている死を題材に

しながら生を称える作品を創る、という彼はやはり

根っからの映画人で、いつも自分の「今」を背伸びせずに

描いているのだな、とやっと感じることができました。

ヒア アフター(来世)という題名でありながら、

描いているのは思いっきり今世です。「死とは何であるか考えよう」

ではなく、「死があるからこそ生がある」という

至極当たり前のメッセージのようでした。

 

一つ一つの作品を観るとどれもなんか淡々としていて、

退屈なのですが、こうやって彼の役者人生と照らし合わせると

途端に面白くなります。

彼が同時代に生きる同じ人間だと思うと悔しいです。(笑)

やるなぁ。(ナニサマヨ。^ ^;)

 

イーストウッド作品としては毛色が違う、などという批評も

散見しますが、本作は紛れもないイーストウッド作品だと思います。

 

2011年2月23日 水曜日

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