予告通り(?)クリント・イーストウッド監督の
「ヒア アフター」を観てきました。
正直、これまでのイーストウッド作品とは
あまり相性が良くなかったのですが、本作を
観て、彼の映画に対する姿勢がやっと分かった
ような気がしました。
彼は役者時代は決して死なない無敵のヒーローを演じ、
役者最後の作品で暴力に対する暴力を否定して死にました。
そして齢80歳にして自らにも迫っている死を題材に
しながら生を称える作品を創る、という彼はやはり
根っからの映画人で、いつも自分の「今」を背伸びせずに
描いているのだな、とやっと感じることができました。
ヒア アフター(来世)という題名でありながら、
描いているのは思いっきり今世です。「死とは何であるか考えよう」
ではなく、「死があるからこそ生がある」という
至極当たり前のメッセージのようでした。
一つ一つの作品を観るとどれもなんか淡々としていて、
退屈なのですが、こうやって彼の役者人生と照らし合わせると
途端に面白くなります。
彼が同時代に生きる同じ人間だと思うと悔しいです。(笑)
やるなぁ。(ナニサマヨ。^ ^;)
イーストウッド作品としては毛色が違う、などという批評も
散見しますが、本作は紛れもないイーストウッド作品だと思います。