他に話題作がないためか妙に推されまくっている「ブレット・
トレイン」ですが、伊坂幸太郎原作小説をブラッド・ピットが
主演するという摩訶不思議な作品です。しかも舞台はヘンテコ
設定の日本。(笑)
不運な殺し屋と幸運な悪ガキの対比を軸に個性豊かなヤバイ
ヤツらの暗躍が展開する群像劇です。これが新幹線の中で
起きるというのがミソで、伊坂作品は何作か読んでいますが
(今作「マリアビートル」は未読)、充分に伊坂テイストが
出ていたと思います。非現実を落とし込むのが上手いんです
よね。
映画でもご都合主義てんこ盛りですが、偶然=必然=運命と
いうテーマがご都合主義を必須レベルに押し上げる上手い演出
をしています。原作ファンには受け容れづらいと思いますが、
そもそも伊坂作品が映像化に向いていないので(^ ^;)仕方が
ないでしょう。本作は娯楽に振り切ったガイ・リッチー風味の
アクション映画と割り切ると良いかな。意外と映画から原作に
進む人多いかも。
そして「ロッキーvsドラゴ」。言わずと知れた(?)ロッキー4
なんですが、未公開映像が42分あると聞いていたので本編に
追加なのかと思ったら再編集でした。
つまりスタローンさん自らがオリジナルを見直すということで
正直、誰が変更点分かんねん!というレベルです。(^ ^;)
しかも「4」を理解するためには「1〜3」を観ている必要が
ありかつ、割と新しい記憶であるのも条件になるでしょう。
そんなニッチな人向けなので、鑑賞後に動画解説を観ることを
お勧めします。
ご多分に漏れず僕も動画で復習しましたが、解説を聞くと
なるほど、と思う部分があり「人間は変われるんだ!」という
テーマがより明確化したのが納得できました。「もし時間を
巻き戻せるならアポロは殺さないだろう」とスタローンさん
が言っていましたが、ロッキーは自分の写し鏡みたいなもの
なので深い思い入れがあるのだろうと感じた次第です。
ただ、35年前の作品だからなのか、セットが昭和!(笑)
まるでごっつええ感じですわ。
今回は2本とも万人向けでは無い内容ですが、つまり僕は
大好きでした。(^ ^)