ハイドロリリース注射は少しずつ認知が拡がって来ています。
これはハイドロ=水でリリース=解除する、という意味で、
要は薬効ではなく水分で物理的に筋肉間の隙間を拡げて
やるぜ、っていうことです。
結果として筋肉の動き(滑走と言ったりします)が改善し
痛みやしびれの緩和につながる、という治療法です。使用
するのはほとんどが生理食塩水なので副作用が無いこと、
超音波装置を見ながら施行するので、患者さんと異常を
共有できることなどがメリットとして挙げられます。
反面、効果が持続しなかったり、注射可能な部位が限ら
れている、と言ったデメリットもあります。全ての治療に
言えることですが、これらの長所短所も知って頂くと
尚良いですね。
特に効果が続かない、あるいは取れない部位がある、と
言う場合、ハイドロリリースの工夫も当然必要ではあり
ますが、そもそも原因が別にあると考えることも重要です。
特に脱水傾向がある場合やミネラルアンバランスがある
場合は、筋肉の動きの不調は出やすくなっています。
また血糖変動が激しい場合は血流不全が起こり得ます
ので、これまた筋肉がこわばることになるでしょう。
これらを正しく判断するには血液検査をはじめとする
栄養学的な分析が必要となりますが、あまり認知されて
いなかった原因が分かることもあり、多くの方にお勧め
している次第です。結果として食事是正という耳の痛い
指導が入ることにはなりますが。(^皿^)
新しい治療が生まれ、それが一般化することは喜ばしい
ですが、固執すると見失うものがあったりもします。個々
の治療法を俯瞰し、“治療のツール”として活用するのが
ベストですね。