院長室

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花粉症とビタミンD

コロナウィルス関連でビタミンDが免疫に良いよ、と話題に

なりました。これまで花粉症症状とビタミンDの相関は紹介

してきましが、はて、どちらも正しいの?

 

そう、どちらも正解です。ウィルス感染症と花粉症に共通

するのは「粘膜防御」です。ウィルスも花粉も粘膜から侵入、

あるいは粘膜で感知するので粘膜の機能に大きく左右される

のです。そしてその粘膜の機能に深く関与するのがビタミンD

なんですね。

 

ビタミンD不足は血液検査で分かるので、一度は検査して

みることをお勧めします。不足していた場合はビタミンD

を多く含む食材を増やしたり、サプリメントで補助したり

しますが、そもそもビタミンDは体内で合成可能なビタミン

なんです。お、じゃあそれを後押しできればさらによい、

ってことになりますね。

 

それはその通りなんですが、ビタミンDはなんとコレステ

ロールを原料にして作られるんですよ。コレステロールは

悪役の代名詞みたいにされており (^ ^;)、低い方が健康で

あるように捉えられがちですが、低すぎれば即ちビタミンD

合成に支障が出るということです。コレステロールを下げる

薬を飲みながら花粉症の薬も飲む、ってのはある意味マッチ

ポンプなんですね。

 

さらに、副腎から分泌されるコルチゾールや性ホルモンも

コレステロールから合成されるので、ビタミンDはホルモン

と同族と見なされます。ホルモンは必要に応じて自身で

合成するのが基本なので、外から取り入れるのは慎重になる

べきです。我々が保険のビタミンD製剤を使用しないのは、

自身の合成能力を阻害する恐れがあるからなんです。

 

そしてコレステロール代謝に大きく関与するのがビタミン

B群です。そうするとビタミンD不足の改善に豚肉も有用、

となるわけです。これから気温が上がれば花粉飛散量も

増えます。栄養不足の視点からも治療ができると尚良い

ですね。

2021年3月4日 木曜日

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