副腎疲労や腸内環境の悪化、重症アレルギー、自己免疫疾患
などなど西洋医学の治療では限界がある病態に栄養療法が効果
あるかも、という方向で脚光を浴び始めて数年。もちろん全て
の方に効果があるわけではないですが、なぜ効果が出ないか、
もまた栄養療法の範疇ではあるので、非常に応用範囲が広い
のは確かです。
しかしながら、応用範囲が広いがために却ってどんな病態に
適応できるのかが分かりづらくなってしまっている、という
側面もあります。自身が栄養療法にチャレンジする価値はある
のか、と悩んでしまう方もいるようです。逆に「○○は治るか?」
と詰め寄られることもありますが (^ ^;) 、ベースとなる栄養の
過不足が改善すれば良くなるかも、としか言えない歯がゆさ
もあります。
さて、そんな中「子供に栄養療法はOKですか?」と聞かれる
ことがしばしばあります。何か症状に悩んでいればもちろん
OKですし、実は特に症状が無くても1度は栄養療法的な分析
をすることをお勧めしています。
それはひとえに「成長が大量の栄養を消費するから」です。
大人が思っている以上に、成長には様々かつ大量の栄養素が
必要です。成長期ほど栄養失調になりやすい、と考えても
良いくらいです。それを分析して食事に繋げられれば、将来
出るかも知れない症状を抑えることができる、つまり予防に
なるので小児は栄養療法の良い適応になるわけです。
ただ血液検査ができるようになるには、ある程度の年齢に
なっている必要があるので、小学生になって成長が加速する
前、というのが実際ではあります。有機酸検査は尿検体なので
全年齢対象ですが、コストが高いのと分かることが限られる
のがネックです。
いずれにしても、栄養療法は非常に応用範囲が広くかつ
予防に繋がる、というのが大きな魅力です。そして成長期
こそ、しっかり栄養の状態を把握しておく必要がある、と
覚えておいてください。子供に嫌われたくないので無理に
検査はしませんが (笑) 、本人の了解が得られれば是非
行って欲しいですね。