とかく、一所懸命とか全身全霊で、といった姿勢が礼賛され
がちですが、それは限定的に集中してやるものであって、
恒常的に発揮するものではありません。
もちろんそういった姿勢は尊いですが、それを常態にしたら
疲弊してしまうし、いつもできるならそれは通常の能力、と
いうことにもなります。
よく診察で「適度に手抜きしてね。」なんて声掛けしますが、
それは上記のようにいつも全力でいる弊害が見て取れるから
です。いつも頑張ってると、いざという時に頑張れないし、
それは既に副腎疲労状態なんですよ。自分は手を抜きたくても
自分以外やる人が居ない、なんてシーンもありますが、それは
もう環境改善しないといけないレベル、ということです。
そんなん、自分の一存では決められないから…と言ってまた
頑張り続ける。こういうパターン、意外と多いのです。(^ ^;)
副腎疲労も栄養療法の守備範囲ではありますが、頑張り過ぎ
の人に不足栄養素を足すともっと頑張っちゃったりするので
結構要注意なんです。当然根本治療になっていませんから、
いずれ効果も頭打ちになりますし。だからこその「手抜き」の
提案なんです。いつもは6〜8割の力で仕事をする、もしくは
そうできるように準備しておく、というのは立派な副腎疲労の
治療です。副腎疲労傾向の方に真面目な人が多いのは、実は
「手抜き」できないから、とも言えるのです。
日本人の勤勉さや忠実さは世界に誇れるレベルだと思うし、
大切にするべきですが、それを発揮するのは身体です。不調に
なれば勤勉さも忠実さも実現できませんよね。責任を放棄
せよ、というわけではなく、責任を全うするにはどう立ち
回るのが賢いか考えようぜ、ってことです。
結構思い当たる節のある方、いますよね?!頑張りすぎての
休職・退職はもったいないです。上手に手抜きしてゆとりを
持って働きましょう!