突如出現した謎の巨大物質、その中にいる異星人?との交流を
描くSF映画です。何か公開前は結構押してたのに、現在あまり
宣伝されていませんね。観ないともったいない名作です。
異星人との交流と言っても「E.T.」のようなハートウォーミングな
お話ではないし、「インディペンデンス・デイ」のような騒がしい
ヒロイック映画でもありません。“ 異物 ”に対し我々はどう接する
べきか、というむしろ社会的映画に属すると言えるでしょう。
しかしながら堅い雰囲気でもなく、異星人と接し言語を解読しよう
とするシークエンスはミステリィのようで高揚します。物語の佳境
で主人公が発するある一言に鳥肌が立つことでしょう。あまり詳細
は言えませんが、オトナのSF映画として名作だと思います。この
あたりは監督のドゥニ・ヴィルヌーヴさんの手腕のなせる業で
しょうな。
ところで、今作は原作小説のタイトルが「Story of Your Life」、
映画版洋題は「Arrival」、そして邦題が「メッセージ」です。
毎回邦題に関して苦言を呈することの多い、エセ評論家然とした
鬱陶しいワタクシですが、今回の邦題は作品内容にマッチして
いて、洋題を使用するよりは良かったかな、と思います。ただ、
「Arrival」には「出生、新生児」という意味もあること、そして
原題の「Your」が誰を指すのか、を考えてみると途端に深く
なります。皆さんも観終わった後に考えてみてね。おすぎでした。