先日、原因不明の腰痛には仙腸関節の異常が関連している
という内容のテレビ番組がありました。この類の話は以前
にも特集されているので、特別新たな知見ではないのですが
継続して情報発信することは意味があると思います。
僕も長年仙腸関節の治療に携わっていますが、確かに画像
検査で異常がない場合に驚くほどの効果を挙げることも
あります。テレビでは注射治療を紹介していましたが、
整体やカイロなどの徒手治療でも改善することがあります。
最近ではエコー観察下での注射の方が主流になりつつあり
ます。視覚的に確認しながら注射した方が狙った部位に
効率的に薬液を注入できますし、また、やってみると仙腸
関節内ではなく、仙腸関節を繋ぐ靱帯への注射でも効果が
出ることが分かります。
驚くべき事に、痛み止めや炎症止めの薬ではなく生理食塩水
を注入しただけでも改善することがあり、これは靱帯や
筋膜の滑りの悪さで痛みが誘発されていることの証明に
なっています。仙腸関節が腰のみでなく、他部位の痛みの
原因になっていることもあるので、このような注射や徒手
治療の発展が痛み治療の新たな選択肢になるかもと期待
しています。
ただ、やはり原因治療になっているのか?の視点はとても
重要です。注射や徒手治療を繰り返す中で、最終的に治療
不要になることもありますが、多くの場合は生活習慣の中の
姿勢や癖に起因します。ここでも治療と予防のセットで
考えることが大切ですね。