いいねぇ。実にいいねぇ。地味な会計士という表の顔を持ち
つつ、実は裏社会と繋がる腕利きの暗殺者。しかも重度の
自閉症を克服しきれていないコミュニケーション障害者でも
あるという、いわゆるアンチ・ヒーローが活躍するサスペンス・
アクションです。
主演はベン・アフレックさん。最近は俳優業だけでなく監督
など制作にも携わるマルチな彼ですが、主人公の設定にマッチ
した外見と動きで、ハマリ役と言えます。例えばトム・クルーズ
さんには華があり過ぎてこの役はこなせないでしょう。まあ、
スパイもアウトローも実はハマってないんですが。(^ ^;)
でも、そんなトム様が好きだ。…いや、失礼、脱線。
アクション映画ではありますが、前半パートはむしろサスペンス
重視で主人公の凄さは実感できませんが、それが後半に行くに
つれてドンドンと無敵っぷりが披露される快感ったらない。
上手に過去シーンを挿入することで、事件だけでなく物語自体の
謎も明かされるという凝った脚本にも脱帽です。事件の核になる
部分や、主人公のバックボーンなど分かりにくい点もありますが、
それを補って余りある工夫が施されているのであまり気になり
ませんでした。
周囲もJ.K.シモンズさんやアナ・ケンドリックさんなど名優が
固めますので、満足度高し。こりゃ続編もあるかな?あとは
お決まりの変な邦題。原題は「The Accountant」(会計士)で、
このままでは伝わらないし、かと言って「会計士」ってのも
さらに「?」だし(笑)、苦心はよく分かります。日本では
「経営コンサルタント」くらいしか耳に馴染みがないから選択
されたんだろうね。まあこれは仕方あるまい。許す。何様?
あまり派手に宣伝されていませんが、「イコライザー」や
「ジョン・ウィック」がお好きな方は十分に楽しめるでしょう。
オススメです。