やられたな〜。スバラシイ怪獣映画でした。監督のギャレス・エドワーズ
さんは超低予算で「モンスターズ」というこれまた怪獣映画を撮ってまして、
これがバツグンに面白かったので、今回、今度は莫大な予算を与えられて
しかもゴジラを撮る、ってんだからそれはもう期待していました。
まず何を置いても、怪獣の迫力がハンパない。今風に言うとパねぇ。これは
ただデカいものを精巧に見せる、というのではなく研究された演出力の
賜物です。予算が莫大になっても「モンスターズ」で見せた工夫とセンスが
光っています。ゴジラが登場するのは物語も中盤になってからなんですが、
そのシーンはトリハダものです。凄すぎて若干泣ける&チビる。(笑)
監督はゴジラファンを公言していて、今作も初代ゴジラにオマージュを捧げ
ているそうなんですが、これがいけなかった。日本の宣伝の仕方も悪いの
ですが、思いっきり1954年版ゴジラを意識させたので、これを愛する
ファンに酷評されてしまいました。1954年版ゴジラは怪獣映画という
よりは文明による自然汚染をテーマとした社会映画なので、ゴジラは哀しみ
の象徴として描かれます。今作は勧善懲悪の善玉怪獣なので、随分と違って
しまっているわけですね。
まあ観てみると、1954年版に、と言うよりはゴジラシリーズ全般、しかも
ガメラシリーズも意識した作りになっているように感じました。敵怪獣なんて
ギャオス+レギオンだもの。(^ ^;)なので、初代ゴジラ映画として観ると
ガッカリ感を味わうことになるのでしょうが、怪獣映画として観れば珠玉の
デキだと思います。芹沢教授役の渡辺謙が日本語発音で「ゴジラ」と呼称する
ことに拘ったらしいですが、やはりゴジラは日本人にとって特別な存在なので
しょうね。
ちなみに海外での大ヒットを受けて既に同監督での続編製作が発表されています。
なんと、次回作にはキングギドラとモスラとラドンが登場するとか…!この
クオリティで作られたらまたトリハダ立ちまくりでしょうな。オムツ履いて
行かねば。(笑)