前フリ通り(?)観てきました、「WOOD JOB!」。そして洋ちゃんファンは
外せない「青天の霹靂」。安定した作品を作り続けるいわば“アベレージヒッター”
の矢口史靖監督と、原作・脚本・出演&初監督“未知数の外国人助っ人”(笑)
劇団ひとりとの対決です。
まずは「WOOD JOB!」から。林業という何となく日本伝統の職業っぽいけど
よく知らない業界を題材にした、「ハッピーフライト」に続くお仕事ムービー。
いや、もうさすがね。マニアックなあるあるネタをこれでもかと盛り込んで興味を
引かせながら、でも手放しで賞賛するわけではない、という距離を置いた制作姿勢
に好感が持てます。「ハッピーフライト」と同じ物語構成ではありますが、ネタが
変わるだけでこうも新鮮になるとは驚き。個人的には「ハッピーフライト」以上
の完成度と思います。
ダメな青年主人公を染谷将太が、それを世話するワイルドな林業マンを伊藤英明
が好演しています。周りを固める俳優陣も皆上手で特にマキタスポーツがハマり
まくってて笑えました。女優陣が美人さん揃いで現実味に欠ける所はマイナス
ですが、それでも素晴らしい完成度です。2番煎じになるどころか、さらに深化
させる力量に感服しました。
そして「青天の霹靂」。…なに?天才?
劇団さんでしたっけ?芸人さんでしたっけ?がっつり感動させて頂きました、
ありがとうございます!と本人に電話したい衝動に駆られました。(笑)
何が凄いってこの内容を100分足らずでまとめた所。(そこかよ?!)
人生に価値を見いだせない大泉洋演じる主人公が、自分が産まれる前の時代に
タイムスリップして、父や母と出会い、家族、人生、命を見つめ直す、という
一見チープなストーリーなんですが、出演者の巧みな演技とスキのない演出で
とてつもなく面白いです。
ひとり監督は(←なんかヘンね ^ ^;)映画が好きなだけでなく、よく研究して
いるなと思います。主人公とその父はマジシャンなので、劇中何度もネタを披露
するわけですが、ここに変にこだわって奇をてらったような演出をしない所が良い
ですね。芸人さんだと、ここら辺に妙なこだわりを出してしまいがちです。芸人
出身の監督と言えば北野武や松本人志が有名ですが、彼らのような観客を置いてけ
ぼりにする感性主導型ではなく、観客の少し先を行ってうまく誘導するという
緻密な計算型の監督と見ました。いいですね〜。好みです。洋ちゃん観たさに
行きましたが、ひとり監督の才能に圧倒されまくり。“ゴールデンルーキー”だったよ。
新世界を荒らして欲しいね。(^ ^)