院長室

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ウィン×ウィン

「Win-Win」のことです。相手も自分も同時に満足いく状態をこう表現したり

しますよね。殆どの仕事は相手がいるので、自分が得した状態が即ち相手の得でも

あるという状態が理想とされます。僕もこれは確かに理想だと思いますが、現在の

医療は「成功」に対する報酬ではなく、「行為」に対する報酬です。これは保険診療

でも自由診療でも変わりません。極端なことを言えば患者さんが不快であろうとも

報酬は保証されると言うことです。注射して「全然効かない」と言われようが、注射

した行為や薬剤には報酬が払われるわけです。とうことは、医療において「Win-Win」

の関係はかなり難しいとうことになります。


だからこそ医療においては、本当に相手は「Win」と感じてくれているだろうか、と

慮る感性が必要だと思うんですね。そういう医療界において平気で「Win-Winの医療

を提供する」と言ってのける人はどうも信用ならない。(^ ^;)あくまでそれは第3者

が判定することであって、当事者が「Win-Winだ」と言っても図々しいな、と思って

しまいます。まあ「得」とは相対的な判断なので「損」と感じてもそれが元で得るもの

があれば「得」に転じるわけですから、捉えようによってはすべて最終的に「Win-Win」

になるとも言えますが、そう達観もできないわけでまずは望んだ結果が得られるかが

「Win」なんでしょう。


医療では患者数が増えればそれだけで自動的に初診再診料が発生しますから、数の

原理に支配されて、ついその数字を見て満足してしまいます。相手の「Win」がどこに

あるのか分かりませんし、それが収入に直結するかも分かりませんがそれでも、敢えて

「Win-Win」だと判定されるような医療を提供したいです。

2014年1月10日 金曜日

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