またも無謀なダブルヘッダー。したくてしてる訳ではないんですが、次が
詰まっているのでね。仕事か。
さてまずは是枝裕和監督の「そして父になる」ですが、福山カッコイイとか
福山カッコイイとか噂は聞いてますが、福山カッコイイです。(笑)でも
それは、見た目ではなく良い演技をしているという意味で。子供を取り違え
られた2組の夫婦の物語ですが、中心になるのは福山さん演じるプライドが
高く、自分の価値観を子供にまで押しつける自己中な父親。彼が事件を
通じて本当に“父になる”様は静かな感動を与えてくれます。実生活で父では
ない彼がここまで演じられるのは素晴らしいですね。
是枝監督の作品は実は初めてでしたが、周防正行監督の「それでもボクはやって
ない」に雰囲気が似ていました。台詞は少なめで抑揚を抑えた演出、登場人物
にも寄りすぎることなく、そして答えは明示しない。そんなだから見ように
よっては冷徹で退屈に映るかも知れませんが、僕は好みでした。
そして宮藤官九郎監督の「謝罪の王様」。いやもう「バカでねーの?!(拍手)」
的なネタだけで構成された作品です。1本目の静かな感動が全て吹っ飛ぶという
希有な経験をさせて頂きました。(^ ^;)謝罪を代わりに請け負うという架空の
職業を生業とする主人公の物語ですが、沢尻エリカから田中元防衛大臣までイジり
倒して、超絶バカバカしい謝罪の数々を繰り広げ、挙げ句 EXILEとE-girls の
ダンスで締めるというやりたい放題。…大好きです。
それでも物語構成はオムニバス形式になってはいるものの、それぞれが伏線になり
まくっていてウマイです。まさか三谷幸喜監督と北野武監督までパロったのか?!
と思ってしまいます。そこまで深みはないですが、こういうドアホウ(喝采)な
作品もよいですね。
いやしかし、2本とも良かったけど別の日に観るのをオススメします。温度差が
ありすぎて鑑賞後のテンションがハチャメチャになります。(^ ^;)