更年期というと女性の問題のような認識がありますが、実は男性にも
しっかり更年期の症状ってのがあるんです。女性の場合は閉経と共に
女性ホルモンがなくなる訳ですから、劇的な変化のためある意味症状も
分かりやすいです。のぼせや多汗、不眠にイライラなど多岐にわたります
が、ある程度誰でも分かりますよね。
男性の場合は、急激にホルモンが無くなるわけではないので症状はあまり
はっきりしないことが多く、またその症状も特徴的ではないため、診断
そのものがつかないなんてことがあります。最も多く訴えられる症状は
不眠やうつ傾向です。ですから「初老期うつ」とか「燃え尽き症候群」
なんて言われていた時代もありました。
どうもこれらの症状の何割かは男性ホルモンの減少によるものの可能性
が高いようです。じゃあやはりホルモン補充療法が奏功するのか、というと
そうは簡単ではないのです。まずは男性ホルモンは緩徐に減少するため
バラツキが多く、どの程度低下したら症状が出るかという基準がはっきり
していません。さらに男性ホルモンを補充することによる前立腺癌などの
危険性も否定できず、どれだけの量までは安全かも分かっていません。
現状は、癌を否定した上で2週に1回ほど注射薬を使用するのが一般的
のようです。
そんな時に登場するのがいつもの如く漢方薬ですが(笑)、僕の印象では
竜骨や牡蛎といった生薬を含む処方が効果的な感じです。もちろん状態に
よって使い分けるわけですが、漢方的には「気鬱」や「気逆」などの気の
異常が前面に出ている事が多いですね。でも漢方薬投与でホルモンが増える
わけではないので、どこかで頭打ちになってしまう印象もありますね。
難しいところです。
でも、男性の不眠や倦怠感も特有の病気である可能性があると言うことはもっと
認知されてもいいかなと思います。いつもお家でジャマ扱いされている(?)
お父さんにも気を配ってあげましょう。(^ ^)