「注射」と言うと、いやーこわーい!と無条件に拒否反応を示す人もいますし、
痛いからヤダ、という人もいるし、クセになるんでしょ?と未だに都市伝説的な
迷信を信じている人もおり、概して嫌われる傾向にあります。(^ ^;)
注射には大きくわけて、「抜く」場合と「入れる」場合があります。関節に水が
貯まっているの「抜く」場面や、ワクチンなどの薬剤を「入れる」場面が想像
しやすいでしょうか。「抜く」時の方が太めの針を使うので、刺す時の痛みは
この方が強いかも知れません。一方「入れる」時は細い針を使えば刺す痛みは
あまりありませんが、使う薬剤によっては薬が入る時に痛みを感じます。じゃあ
どっちにしろ痛いやんけ!と言われればまあそうなんですが(^ ^;)、そもそも
整形外科やペインクリニックでは痛みがあるから注射をするわけで、治療と思って
頂けるとありがたい。フォローになってないか。(笑)
痛みに対する注射も、実は方法は様々です。痛みの部位に関係なく鎮痛剤を打つ
場合もあるでしょうし、痛みの場所に麻酔剤を打つこともあります。また痛みを
誘発する部位に注射するなんて方法もあれば、痛みを感じる神経そのものを麻酔
させてしまう、なんて方法もあります。僕としては短絡的に鎮痛剤を注射するのは
却って病態を隠してしまうことにもなるので、あまりオススメしていませんが、
急場しのぎが必要な方にはもちろんし使用します。急場でない慢性疼痛でも、
痛みを誘発する部位に注射をすると楽になり、しかも結構効果が持続したりする
ので漢方薬でコントロールできない時には積極的に使ったりもします。
注射は患者さんに随分と誤解されている向きもありますが、医療サイドからしても
ついつい短絡的に使用しがちなものでもあります。どんな目的で、どこにどう効か
せるのか、を常に考えて行う必要がありますし、それをきちんと説明できなければ
いけないです。なんせ、痛いことさせてもらうんですから。(笑)
ちなみに関節の水を抜くとクセになるのは迷信です。関節内に軟骨のカスなどの
異物がある場合は繰り返し炎症を起こすので、水が溜まりやすいだけです。注射で
水が溜まるわけではありません。そんな理屈があっても「水を抜くのだけはイヤじゃ〜」
と懇願されると、なかなかできないものですが。(^ ^;)