院長室

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「ヒューゴの不思議な発明」

え〜、まず、ヒューゴは特に何も発明してません。(笑)

 

巨匠、マーティン・スコセッシ監督初の3D映画で、しかも子供が

主人公のファンタジーアドベンチャーって触れ込みの大作です。

…が、これは宣伝法が間違っているのでしょうが、はっきり言って

子供向けではありません。

 

これまで硬派な人間ドラマを撮ってきたスコセッシ監督が、そんな

子供向けのSFじみた映画を3Dで撮る、という意外さに興味があり

僕は観に行ったのですが、何のことはないしっかりスコセッシ映画

でした。(^ ^;)

 

では人間ドラマとして面白いかというと、やや難ありです。脚本や

演出などは確かに完成度が高く、「全ての存在に無駄なものはない。」

というメインテーマに則って、登場人物にも絶妙に役割分担がされて

いるし、黎明期の映画に対する監督の深い愛情も上手く表現されて

いますし、3D技術の使い方にも驚かされました。

…でも退屈なんすよ。

 

主人公ヒューゴに感情移入しにくい点が最大の問題かなと思います。

ストーリー展開のための記号的な行動をするので、大人の都合でやらされて

いるように見えて、なんか悲劇的な演出をされても同情できないんですよね。

巨匠と言えど、子供を描くのはニガテなんかな、と思っちゃいました。

僕がひねくれているだけかも知れませんが。(笑)

あ、あと随所に入るBGMが全然マッチしてなくて邪魔です。

 

ということで、「シャッター・アイランド」に続きスコセッシ監督には

またハズされた感がありますが、美しい映像を目当てに行けば満足は

得られると思います。

2012年3月8日 木曜日

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