日光東照宮の3体の猿の像が有名ですが、眼、耳、口を
塞いで災厄を体に入れないようにする、という教えを
具現化したものです。語呂で猿を使っているので、日本固有の
ものと思われがちですが、実は他の国にも似たような教えは
あるようです。
それはさておきこの教え、結構現代にも通じます。
ウチにみえる患者さんでも、難治性の痛みやかゆみなどで
悩んでらっしゃる方がいます。もちろん痛み止めやかゆみ止めを使う
のは間違いではないのですが、大概これらの方には痛みやかゆみに対する
「感じやすさ」が併存しています。
そしてこの「感じやすさ」は漢方的に言えば「気の緊張」、西洋的に
言えば「ストレス」です。
ですから気を緩める薬を使うわけですが、何も気を緩めるのは薬の
専売特許ではありません。自分でもできるんです。
で、ここで登場するのが冒頭の三猿です。
とかく情報社会になり、僕らには望む以上の情報が日々入ってきます。
それらをうまく処理できればよいですが、処理が追いつかなくなると徐々に
ストレスに育っていくのです。
ですからこの情報の入り口である眼、耳、口を一度シャットアウトするんです。
…必要以上にパソコンを見ない、
…無益な話は聞き流す、
…口寂しさで間食しない、
が、現代の三猿です。
さらにお風呂の時間は「現実から隔絶された自分だけの世界」と思い込んで
何も考えないようにすると良いです。
地味ですが、こうやってストレスを貯めないようにして、神経の過敏状態から
脱却できると長い間悩んでいた症状も意外と軽くなるものです。
ナルホド!ってな感じで、間違っても上司をシカトしたりアイマスクして居眠り
なんかしないように。(笑)
その三猿は職場放棄です。(^ ^;)