「抑うつ」と「うつ病」は厳密には違いますが、客観的に
診断するのが難しいので線引きは曖昧です。現在、長引く
自粛や蔓延する煽り報道で気分的な落ち込みを感じる方が
増えている印象です。経済の損失だけでなく、うつ症状も
コロナ禍の一つではないかと思います。
さて、うつ症状と栄養不足との関連は溝口徹先生の代表作、
「うつは食べ物が原因だった」に詳しいですが、要は脳内の
ドーパミンやセロトニンといった感情を左右するホルモンの
合成低下は栄養不足からくるよ、ということです。それらを
合成できない、もしくは需要に追いつかない状態になると
うつ症状が出るわけですな。
この代謝には様々な栄養素が関与しますが、中でも特に重要
なのがビタミンB群です。ホルモン合成全てのルートに関与
すると言っても過言ではありません。ビタミンB群は8種類
あり厳密には全種が同等に必要と言うわけではないのですが、
相互に活性化し合って働くので、まとめて扱うのが基本です。
ビタミンB群は豚肉に多く含まれるので、なるべく多めに
摂るよう指導したりしますが、食材だけでは不十分だったり
腸内環境が悪く吸収効率が悪そうであれば積極的にサプリ
メントを使用します。いや、サプリメント飲んでるんだけど
あまり効果を感じないなー、という場合はビタミンB群の
消費亢進を考慮しなければなりません。
ビタミンB群は糖代謝で大量に消費されてしまうので、糖質
過剰な食事をしていると無駄に使われてしまいます。高価な
サプリが糖と共に消えていくのです。(泣)それだけでなく
糖過剰により血糖乱高下が引き起こされれば、アドレナリン
過剰やコルチゾール不足を招いて直接的に精神的症状を出す
ので、ビタミンB群温存と血糖安定の2つの意味で糖質制限が
必要になります。
ビタミンB群以外にもマグネシウムや鉄も重要だし、そもそも
ビタミンB群不足にさらに原因があったりするので、一筋縄
ではいかない場合もありますが、少なくとも気分の落ち込
を感じたら、イキナリ抗うつ剤!ではなく食事を見直して
みて欲しいです。外出を恐れて冷凍食品ばかりになっていま
せんか?ストレスを感じて甘味をやけ食い(^ ^;)していま
せんか?それらは全てうつ症状に繋がります。