“文春砲”に対抗するためなのか、ある週刊誌で執拗に薬の
害について取り上げられていますね。「○○は危険!」とか
「医師は決して飲まない!」とか、なるほどこう書くと
注目を集めるのか、という参考にはなりますが(^ ^;)、
僕も処方する側ではありますので、看過はできません。
まあ僕も「薬は最小限に」がモットーなので、こういった
記事が過剰な処方に歯止めをきかせる効果が期待できる面は
評価したいところです。しかしながら一部記事では、
飲んではいけない薬一覧に「漢方薬全部」となっていて
びっくらこきました。(古い)
薬は人体にとって異物である以上、当然何かしらの副作用は
想定されます。そもそも人体に備わっている物質は薬として
認可されないので、例えば女性ホルモン剤などは敢えて
一部組成を変更して薬を作製したりします。なので、薬の
添付文書には危険性や副作用の可能性が必ず明記されている
わけです。
危険性や副作用にも幅があって、高頻度に発現するものや、
一度出ると重篤になるものは当然慎重投与をするべき薬、
ということになります。逆に想定はされるけれど、ほとんど
見られないものや、内服中止ですぐ消えるものもあります。
週刊誌の内容はそれを一括りに「危険」としているところに
問題がありそうです。信憑性を出すために医師のコメントも
併記されていますが、「副作用の可能性」を言っているだけで
それを「飲んではいけない」とするのは飛躍があります。
そこまで言うのならば、薬を使わない代わりの治療方法を
提案して欲しいものですが、まあそれは期待しても無理かな。
薬大好き日本人にはそれこそ良いクスリになるとは思いますし、
記事が医療費抑制に繋がれば賞賛の対象にもなりますが、
記事が本当に患者さんや医療業界に向けたメッセージなのかは
疑問です。販売部数が伸びればそれでよし、だとすると一過性
の流行で終わってしまうでしょうね。もしくはそうならない
ようにさらにエスカレートするか。そういや手術もヤリ玉に
挙げられてるから、次は何が来るかな?