ここ最近、遅延型アレルギー検査を希望される患者さんが増えています。
どうやら、テレビや雑誌で紹介されたらしく急に認知されるようになった
みたいですね。
遅延型アレルギーはIgG抗体によるアレルギー反応で、その症状はあらゆる
臓器に及びさらに症状発現まで数週間かかる、という厄介なものです。その
ため、原因のよく分からなかった症状が実はアレルギーだったんだぜ!なんて
ことがあり、それがあまり認知されていないためこぞって取り上げられたのだと
思います。
遅延型アレルギーは食材由来で、そのため別名「フードアレルギー」なんて
言ったりします。陽性になった食材は何らかの制限をするわけですが、実は
この検査の本質は別の所にあります。
そもそも食材でアレルギーになる原因は腸にあります。腸は言い換えれば税関
のようなもので、身体に有益な物は通すが害のある物は絶対に通さない、という
器官です。本来食材は我々にとっては異物ですから、消化酵素でバラバラに分解
して最小単位にすることで無害化され税関を通るわけですね。しかし分解が
不十分で、まだ異物としての性格があるうちは通してくれないのです。
ここで税関機能が落ちれば、異物のまま体内に侵入してしまい、警察の取り締まり
(=免疫)が強化されます。これがフードアレルギーの本態です。正式には、
腸管壁浸漏症候群という病名ですが、要は腸が「ダダ漏れ」ってことです。(笑)
ということはフードアレルギーの本質はこの腸管壁浸漏症候群の程度を評価する
ことになりますよね。フードアレルギー検査で少数の陽性食材が出れば、まあそれら
を制限すれば良いのですが、多数の陽性食材が出た方は現実的には制限し切れない
ので、覚悟を決めて腸に対するアプローチを並行しなければいけないのです。