…と、たまに診療中に聞かれます。漢方薬はそれぞれに
色々な効果があるので、それが自分に当てはまれば是非
飲んでみたいと思うのは当然です。
しかし注意して欲しいのは、漢方薬は“生薬の集合体”だと
言うこと。□□という生薬と△△という生薬をそれぞれ
××gずつ配合、という具合にレシピが決まっているのです。
つまり一つの漢方薬で複数種の薬を飲んでいるわけです。
例えば2種の漢方薬でも10種類以上の薬を飲んでいる
場合もあり得るんですね。これによる肝障害や腎障害が
起こる可能性があるので、闇雲に複数種の漢方薬を服用
するのは避けるべきです。漢方薬は構成生薬が少ないほど
効果が速いと言われますので、風邪に使用する漢方は極力
構成生薬数を絞るべきですね。
ただ、生薬構成をよく見てみると同じような構成をして
いる漢方薬が見つかります。例えばカッコントウも
ケイシカジュツブトウも7種類の生薬で構成されますが
実は5種類は共通の生薬です。ですから同時に飲んでも
7+7−5=9種類なんですね。これなら速効性も維持
しつつ複数投与も可能です。3種類でも同様に考えます。
なので3種類投与は理論上可能!…なんですが保険が
通らない(^ ^;)と言うオチがあります。地域によって
審査に違いがあるので全国共通ではないかも知れません
が、現実的には2種までです。どうしても3種必要な
場合は、一つを頓服にする、という裏ワザもありますが。
こういう縛りは邪魔くさいですが、だからこそ生薬の
勉強をする、という側面もあります。(^ ^)