院長室

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漢方薬は3種飲んでもよい?

…と、たまに診療中に聞かれます。漢方薬はそれぞれに

色々な効果があるので、それが自分に当てはまれば是非

飲んでみたいと思うのは当然です。

 

しかし注意して欲しいのは、漢方薬は“生薬の集合体”だと

言うこと。□□という生薬と△△という生薬をそれぞれ

××gずつ配合、という具合にレシピが決まっているのです。

つまり一つの漢方薬で複数種の薬を飲んでいるわけです。

 

例えば2種の漢方薬でも10種類以上の薬を飲んでいる

場合もあり得るんですね。これによる肝障害や腎障害が

起こる可能性があるので、闇雲に複数種の漢方薬を服用

するのは避けるべきです。漢方薬は構成生薬が少ないほど

効果が速いと言われますので、風邪に使用する漢方は極力

構成生薬数を絞るべきですね。

 

ただ、生薬構成をよく見てみると同じような構成をして

いる漢方薬が見つかります。例えばカッコントウも

ケイシカジュツブトウも7種類の生薬で構成されますが

実は5種類は共通の生薬です。ですから同時に飲んでも

7+7−5=9種類なんですね。これなら速効性も維持

しつつ複数投与も可能です。3種類でも同様に考えます。

 

なので3種類投与は理論上可能!…なんですが保険が

通らない(^ ^;)と言うオチがあります。地域によって

審査に違いがあるので全国共通ではないかも知れません

が、現実的には2種までです。どうしても3種必要な

場合は、一つを頓服にする、という裏ワザもありますが。

こういう縛りは邪魔くさいですが、だからこそ生薬の

勉強をする、という側面もあります。(^ ^)

2023年3月12日 日曜日

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